旧NISAで積み立てた資産を今後どうするか——多くの投資家が悩むこのテーマ。特に一定の含み益がある場合、「今売却して個別株に回した方がリターンが良いのでは?」という考えは自然です。しかし、本当にそうなのでしょうか?本記事では、旧NISAの利点や資産を引き出す際の注意点、個別株との比較などを解説し、判断材料を提供します。
旧NISAの仕組みと非課税のメリット
旧NISA(2014〜2023年)は年間120万円までの投資額に対して、最長5年間の非課税期間が設定されていました。配当金や売却益も非課税で、利益を最大限享受できるのが特徴です。
仮に50万円の元本に対し25万円の含み益がある場合、その25万円分が非課税になる恩恵は大きく、特定口座であれば約20%課税されるため、実質5万円以上の節税効果があると言えるでしょう。
15年放置したらどのくらい増える?複利効果の実例
たとえば、年利5%で70万円を15年間運用した場合、最終的な資産は約145万円になります。この効果は、再投資と時間による複利のなせる業です。
対して、個別株投資では年平均10%のリターンを期待できるケースもありますが、それは非常に限られた選定眼とタイミングが求められます。また、損失リスクも大きく、精神的にも難易度が高いです。
個別株投資のリターンとリスクのバランス
個別株に資金をシフトすれば、リターンの上振れも期待できます。特に成長株やテーマ株などにうまく投資できれば、15年後には数倍になる可能性も。
しかし一方で、倒産・減配・株価下落といったリスクも無視できません。過去には東芝やシャープのように想定外の展開で株主が損失を被った例もあります。つまり個別株投資は、期待値とリスクのブレ幅が非常に大きいのです。
引き出すときの注意点とタイミング
旧NISAの資産を途中で引き出しても罰則はありませんが、非課税の恩恵はその時点で終了します。また、引き出した資金を新NISAで再投資することも不可能なため、慎重な判断が求められます。
特に市場が高騰しているタイミングでの売却は資金効率が良い反面、その後の再投資先の成否に大きく影響されるため、次の投資戦略が明確でない限りはリスクが高い選択です。
他の投資戦略との比較
旧NISA資金をあえて売却せずに、放置・追加投資・分散投資を続けることで、より安定したリターンを目指す戦略もあります。
また、リスク許容度に応じて、個別株投資は新たに積み立てる資金で対応し、旧NISAはそのまま保有という「ハイブリッド戦略」も現実的です。
まとめ:愚策かどうかは戦略次第
旧NISAで得た非課税の含み益を捨ててまで個別株投資へシフトするのは、次の投資先に明確な確信とリスク管理がある場合に限ると言えます。
逆に、長期的に安定した運用を目指すなら、そのまま放置し複利の恩恵を受けるのも一つの賢明な選択です。どちらを選ぶにせよ、「なぜ今売却したいのか」を自分に問い、感情ではなく戦略に基づく判断が最も重要です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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