テクニカル分析において、移動平均線(MA)の動きはトレンド把握に極めて有効な指標です。特に、長期MAと短期MAが乖離したあとに短期MAが収束し、再び拡散する局面は、トレンド再開の起点となり得ます。本記事では、こうした局面を狙うための戦略と具体的なエントリーポイントの考え方を実例を交えて解説します。
収束から拡散への流れを捉える重要性
移動平均線の収束と拡散は、相場のエネルギーが蓄積されたあとに再び動き出す「転換点」を示す可能性があります。特に、トレンド相場において短期MAが一時的に調整で長期MAに近づき、その後拡散する流れは「押し目買い」「戻り売り」の絶好のチャンスです。
このタイミングは、いわば一時的な調整フェーズの終わりと新たなトレンドの始まりが重なる点であり、リスクリワードの高いエントリーポイントが期待できます。
MAの角度と乖離率を利用したトレンドの強度判断
短期MAと長期MAの角度がともに上向きで、かつ明確な乖離がある場合、それは強い上昇トレンドを示唆します。このとき、短期MAが一時的に下向きになり長期MAへ収束する動きは、健全な押し目の可能性が高いです。
たとえば、日足チャートで50MAと200MAが上向きで開いており、短期的に20MAが50MAへと接近してから再び上方向へ開き始める動きは、多くのトレーダーが押し目買いを狙うポイントと一致します。
エントリーの精度を高める補助的テクニカル
移動平均線だけでなく、MACDやRSIなどのオシレーター系指標を併用することで、収束からの拡散タイミングをより正確に捉えられます。
たとえば、MACDのシグナルクロスが短期MAの拡散とタイミングが重なった場合、信頼性の高いトレンド再開サインと判断できることがあります。RSIであれば、調整中に40〜50付近で反転していれば押し目買いの根拠が強まります。
実例:ドル円の押し目からの再拡散を狙ったケース
2023年のドル円相場では、日足200MAと50MAが上昇している局面で、20MAが調整によって50MAに接近したあとに再拡散する場面が複数回見られました。そのうち、MACDがゼロライン付近からゴールデンクロスし、出来高も増加した局面では、トレンド再開のシグナルとして有効に機能しました。
このような「MAの収束→拡散」の動きは、チャート上で何度も繰り返される構造であり、パターンとして把握しておくことで多くの場面に応用可能です。
トレードルール化と検証の重要性
こうした局面を確実に捉えるためには、自分なりの「エントリールール」を持ち、それを過去チャートで検証しておくことが不可欠です。
たとえば、「短期MAが長期MAに接近+MACDクロス+前回高値抜けでエントリー」といった明確な条件を設定し、TradingViewやMT4で過去数年分をリプレイ検証すれば、勝率や期待値を具体的に把握できます。
まとめ:押し戻りからのトレンド再開は再現性のある戦略
短期MAと長期MAの収束と拡散を活用したトレード戦略は、テクニカルに基づく再現性の高いアプローチです。ただし、単に形状だけを見るのではなく、角度、乖離、補助指標、出来高など総合的な判断が求められます。
こうした場面を狙う戦略をルール化し、検証を重ねていけば、自信を持ってエントリーできる機会が増えるはずです。ぜひ自分の手法として落とし込んでいきましょう。

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