最近、「知人のお金を預かってFXなどの投資をしてあげたい」という相談を受けることがあります。一見すると好意的な行為にも思えますが、実は金融商品取引法に違反する可能性がある重大な問題を含んでいます。この記事では、個人が他人の資金を預かって投資をする行為の法的リスクについて詳しく解説します。
他人の資金で投資を行う行為は「投資助言・代理業」や「運用業」に該当する
日本の金融商品取引法では、他人の資金を預かって投資運用を行う場合、「投資運用業」または「投資助言・代理業」に該当する可能性があります。これらの業務を行うには、内閣総理大臣の登録が必要です。
たとえ知人1人の資金であっても、「繰り返し性」や「報酬を得る意図」があれば業務とみなされ、1人でも無登録であれば違法と判断されることがあります。
無登録での資金運用は「無登録営業」として罰則対象に
無登録で投資運用業を行った場合、金融商品取引法第29条に違反する可能性があり、懲役刑や罰金刑の対象になることもあります。例えば、「無登録で知人の資産を運用し、利益を分配した」というだけでも摘発事例が存在します。
実際に、過去には「親族や友人の資金をまとめて運用していた」ケースで逮捕・起訴に至った例も報告されています。
金額の大小ではなく「業務に該当するかどうか」が問題
「1人だけなら大丈夫」「少額だから違法ではない」と考えてしまう方もいますが、金融庁は金額や人数の多寡ではなく、業として行っているか(繰り返し性・報酬性)を重視しています。
そのため、たとえ金額が2,000万円でも、1人の依頼でも、報酬の約束がなくても、法律上の問題が生じるリスクは十分にあるのです。
親切心でも法的責任は免れない
「知人に頼まれて断れなかった」「お礼を受け取るわけではない」としても、法律違反であることには変わりません。民間のトラブルに発展すれば、民事で損害賠償請求を受けるリスクもあります。
また、知人の損失により人間関係が破綻するケースも多く、金銭・法律・感情の3重トラブルに発展する可能性もあります。
安全な代替策として「紹介」や「学習サポート」に留める
もし知人に投資への興味がある場合は、自分が実際に利用している証券会社や書籍、情報源を紹介するにとどめましょう。資金の預かりや運用には絶対に踏み込まないことが賢明です。
また、金融庁の登録業者検索ページでは、正規に登録された事業者かどうかの確認もできます。
まとめ:善意でも無登録投資運用は違法の可能性が高い
他人の資金を預かってFXや株式などの運用を行う行為は、金融商品取引法上の「無登録業」に該当する可能性が高く、1人の資金であっても違法性が問われます。
個人の好意や友情であっても、法律に抵触すれば刑事責任を負うリスクもあるため、絶対に避けましょう。代わりに、信頼できる情報を紹介したり、勉強の手助けにとどめることが最善の選択です。

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