日計り信用取引は、手数料の面で非常に優遇されており、差金決済の回避にも活用される手法です。しかし、制度の仕組みや条件を正しく理解していなければ、思わぬリスクを背負ってしまう可能性もあります。本記事では、SBI証券を例にとり、現引きの手数料や日計りの活用方法について詳しく解説します。
SBI証券の「日計り信用取引」とは？
SBI証券における「日計り信用取引」は、当日中に返済することを前提とした信用取引の一種で、買建・売建ともに取引手数料と貸株料が無料（条件付き）となっています。加えて、当日中の現引き・現渡しに関しても、現引き手数料が無料です。
つまり、当日に買ってそのまま現引きする（現物化）ことで、差金決済を気にせず、現物株と同じように売買を繰り返すことが可能になります。ただし、「当日中」という時間制限を超えると通常の信用手数料や金利が発生するので要注意です。
差金決済とは？なぜ現引きで回避できるのか
差金決済（差金決済取引の制限）とは、同一資金で同一銘柄を同日に複数回売買することを制限するルールです。これは信用取引ではなく、現物取引に適用されるものです。
日計り信用取引で買った株を現引きすることで、信用ポジションを現物株として保有する形に変更でき、差金決済制限の対象から外れます。このため、自己資金の範囲内であれば、同日に複数回の売買が実行できるのです。
日計り信用取引の利用方法と注意点
具体的な手順としては、以下のように進めます。
- SBI証券の取引画面で「信用取引」→「日計り」を選択
- 当日中に約定したポジションを「現引き」処理
- 手数料無料が適用されるのは当日中の現引きのみ
ただし、余力（資金）が不足していると現引きができず、翌営業日持ち越しとなるため、口座に資金があることが前提です。また、PTS取引では手数料無料が適用されないなど、対象外のケースにも注意が必要です。
日計り信用取引は本当に「現物買い」とリスクが変わらないのか？
日計り信用取引の現引きは、制度的には現物株と同様の保有状態にできますが、信用口座を使う以上、審査や追証などのリスクを常に考慮する必要があります。
また、制度上の変更や手数料体系の改訂によって、将来的に条件が変わる可能性もあるため、取引前には必ず最新の約款を確認するようにしましょう。
事例：実際にSBI証券で日計り→現引きしてみた
実際にある投資家は、SBI証券でA社株を「日計り」で100株信用買い→そのままザラ場中に現引き処理しました。このケースでは。
- 買建手数料：0円
- 貸株料：0円
- 現引き手数料：0円
結果として、完全に無料で株を取得でき、差金決済の制限にもかからず、午後にすぐ現物売却を行えたとのことです。
まとめ：制度を理解すれば有効な投資戦略の一手に
日計り信用取引は、自己資金がある投資家にとって、非常に低コストかつ効率的な売買戦略となります。現引きの仕組みを活用することで差金決済の制限も回避可能です。
ただし、信用口座ならではのリスクや条件には常に注意を払い、あくまで余裕資金の範囲内で活用することが重要です。
こんにちは！利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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