かつては新婚旅行の定番として人気を集めたパックツアー。しかし近年では、参加者層が大きく変化し、若いカップルや友人同士の姿が見られなくなったという声が増えています。その背景には何があるのでしょうか。この記事では、世代別の旅行スタイルの変化とパックツアー市場の動向を解説します。
若年層の「お金と時間」の現実
総務省の調査によれば、20〜30代の可処分所得は年々減少傾向にあり、物価上昇と非正規雇用の増加が旅行への出費を難しくしています。特にコロナ禍で収入減を経験した若年層の多くは、節約志向が強く、海外旅行自体を控える傾向が続いています。
また、大学卒業直後の若者が「新婚旅行=豪華な海外パックツアー」といった価値観よりも、もっと手軽で自由な旅を求める傾向も見逃せません。
スマホ世代は個人手配旅行を選ぶ
LCCの普及やAirbnbの拡大、旅行系SNSの浸透により、若者の間では「旅は自分で組み立てるもの」という意識が根付いてきました。格安航空券と現地のホテルをネットで簡単に予約できる今、パックツアーに魅力を感じない若者が増えているのは自然な流れです。
たとえば、インスタグラムで人気の“#韓国女子旅”や“#バンコクカフェ巡り”の投稿を見ると、自由行動の多い個人旅行が主流であることが分かります。
パックツアーは「安心・効率重視」の中高年向けに
一方で、パックツアーは「自分で手配するのは面倒」「言語に不安がある」と感じる中高年層にとっては魅力的な選択肢です。特にリタイア後の夫婦や、旅慣れない高齢者にとっては、ガイド付きで安心・安全な旅ができる点が評価されています。
旅行会社各社もこの需要を見込み、観光地の解説付き、食事付き、ゆったり行程など、年齢層に合わせた内容を充実させています。
コロナ明けで強まった「安心志向」
パンデミック後の旅行再開にあたっては、感染対策や緊急時の対応がより重要視されるようになりました。この点においても、パックツアーは手厚いサポート体制が整っているため、高齢者を中心に再評価されています。
ある旅行会社の担当者は「2023年以降は中高年のリピーターが多く、若者の予約は戻りきっていない」と語ります。
世代別に選ばれる旅のスタイル
同じ旅行先でも、若者はカジュアルで自由な旅を好み、中高年層は計画性と安心を求める傾向にあります。この違いが、パックツアー参加者の世代に現れているのです。
たとえば、「カンクンに新婚旅行」だったカップルは、今では「バリ島を自分たちで手配」「韓国に週末女子旅」といったように、選択肢そのものが変わってきました。
まとめ:旅行スタイルの多様化が背景に
若いカップルがパックツアーから姿を消した背景には、経済的な制約、個人手配の普及、旅行観の変化といった複合的な要因が関係しています。それに対して、年配層が安心感を求めてツアー旅行に集中する流れが加速したことで、現在の構図が生まれました。
「見かけなくなった」のではなく、「選ばれなくなった」というのが、実情に近いのかもしれません。

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