経済の良し悪しは、統計データやGDP成長率で判断されるのが一般的ですが、人々の暮らしに与える実感や空気感といった“肌感覚”も、経済を語るうえで重要な視点です。この記事では、2000年から2025年までの日本経済を5年刻みで区切り、各時代の社会的雰囲気や消費マインド、就職環境などから、「景気が良かった」と感じる時期と「悪かった」と感じる時期を振り返ります。
①2000年〜2005年:ITバブルの余韻と失われた10年の影
2000年代初頭は、ITバブルの崩壊直後ということもあり、経済的にはまだ「冬の時代」という印象が残っています。就職氷河期は続き、企業の新卒採用も非常に厳しい時期でした。
ただし、家庭向けインターネットが普及し始め、携帯電話やパソコン関連業界は少しずつ活気を帯びてきた時期でもあり、「新しい産業の兆し」を感じた人も少なくなかったでしょう。
②2006年〜2010年:リーマンショックで景気感が急変
この時期は一部の業界で景気回復を感じさせる動きもあり、株価も回復基調にありました。しかし2008年に突如起きたリーマンショックで、世界経済が大混乱に。日本も大きな影響を受け、雇用の不安や企業倒産が相次ぎました。
実感としては、特に2009年〜2010年頃の不安感は非常に強く、ボーナスカットや派遣切りといった言葉が日常的に飛び交っていた記憶がある人も多いでしょう。
③2011年〜2015年:震災とアベノミクスの交錯
2011年は東日本大震災が日本全体に衝撃を与えました。人々の生活は一変し、経済活動も停滞しました。この時期は「復興と混乱」が共存していた印象です。
一方で、2012年末からはアベノミクスによる経済政策が始まり、2013年以降は株価上昇・円安・企業収益の改善など、前向きな変化も感じられました。特に都市部では景気回復の実感が広がり、求人も徐々に増え始めた時期です。
④2016年〜2020年:オリンピック前の活況とコロナでの急落
東京オリンピックに向けた建設ラッシュやインバウンド需要の増加など、実体経済への好影響を感じやすかった前半と、コロナ禍での急停止が起きた後半で印象が大きく異なる時期です。
2016〜2019年までは、訪日外国人が街にあふれ、飲食・観光業を中心に「景気が良い」と実感した人が多かった一方、2020年には一転して自粛ムード、店舗閉鎖、リモートワーク急増など、暮らしの形そのものが変化しました。
⑤2021年〜2025年:コロナ後の回復と物価上昇のはざまで
2021年以降は、コロナ禍からの回復フェーズに入り、旅行や外食、イベントの再開で街に活気が戻ってきた印象があります。しかし同時に物価上昇(インフレ)や円安による生活費の負担増も強まり、実質的な暮らしのゆとりはあまり感じにくいという声も増えています。
賃金上昇が追いつかないという実感から、「景気が良いとは言えない」とする見方も依然として根強く、今後の政策や経済の動きが注目されるところです。
まとめ:最も景気がよかった・悪かったと感じる時期
最も景気がよかったと感じる時期:2016〜2019年頃(④2016〜2020)。インバウンドと都市部の消費が伸び、目に見える活気があった。
最も景気が悪かったと感じる時期:2009〜2010年頃(②2006〜2010)。リーマンショック後の雇用不安と実体経済の停滞が深刻だった。
経済の「実感」は人によって異なりますが、上記のように社会全体のムードや暮らしの変化から見えてくる経済の姿も、重要な判断材料の一つです。

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