「物価高で生活苦」といった言葉を耳にする機会が増えました。一方で、「賃金も上がっているし問題ないのでは?」という意見も見られます。では、実際に今の日本で生活は本当に苦しくなっているのでしょうか?そして、かつてのバブル期には貧困層はいなかったのでしょうか?本記事では、物価と賃金、そして格差や実感ベースの生活の質について詳しく解説していきます。
物価高と実質賃金の関係
名目賃金が上がっていても、物価がそれ以上に上がっている場合、実際に人々が使える「実質賃金」は下がることになります。たとえば、年収が2%上がっても、食料品や光熱費が5%値上がりすれば、家計は以前よりも厳しく感じられるのです。
総務省の家計調査や厚生労働省の実質賃金指数でも、2022年〜2023年は実質賃金がマイナス傾向にあり、多くの世帯で生活費のやりくりが厳しくなっていることが確認されています。
生活苦を感じる層が広がる背景
特に打撃を受けているのは、非正規労働者や年金生活者、子育て世帯、単身世帯など、可処分所得の余裕が少ない層です。生活必需品の値上がりはこれらの世帯に直撃します。
例えば、ひとり親家庭では、学校給食費・電気代・ガソリン代の高騰により、月々の赤字が常態化しているケースも増えています。表面的な賃上げでは埋めきれない生活格差が存在するのです。
「バブル期は貧乏がいなかった」は本当か?
バブル期(1986〜1991年)は確かに平均賃金が高く、景気も良好でしたが、貧困層が存在しなかったわけではありません。当時も非正規雇用者や地方の産業が衰退しつつあった地域では、格差の影はありました。
むしろ、バブル崩壊後に深刻な不況となり、「見えづらかった貧困層」が顕在化したことで、社会問題化しました。「バブルの恩恵に預かれなかった層」も確かに存在していたのです。
「賃上げできる社会」の期待と現実
物価高を逆手に「賃上げ交渉しやすくなった」という意見は一理あります。事実、大企業を中心に春闘での賃上げ率は上昇傾向にあります。ただし、それは一部の企業・職種に限定されているのが現実です。
中小企業や地方の企業では価格転嫁が難しく、賃上げに踏み切れないケースも多く、「物価高なのに給与が増えない」構造が続いているのです。
生活苦かどうかは「立場による」
結論から言えば、「生活苦」と感じるかどうかはその人の収入、家族構成、地域性、雇用形態などによって大きく異なります。一概に「みんなが生活苦」とも「誰も苦しくない」とも言えません。
むしろ、重要なのは社会全体でこうした立場の違いを理解し合い、支援や制度設計に反映させる視点です。
まとめ:データと実感の両面で生活の実態を考える
物価上昇と賃金の関係は単純ではなく、「名目」ではなく「実質」で見ることが必要です。また、「バブル期に貧乏はいなかった」わけではなく、今と同様に立場によって状況は大きく異なっていました。
生活苦を感じる人がいるという事実を受け止めつつ、社会全体が公平に経済成長の果実を分け合える仕組みを模索していくことが、今後の課題といえるでしょう。

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