インデックス投資をするうえで、どの指数を「コア資産」として据えるかは長期的なパフォーマンスに大きな影響を与えます。近年人気のNASDAQ100は成長株中心で高リターンが期待される一方、「リスクが高すぎるのでは?」という懸念の声も少なくありません。本記事では、NASDAQ100を中核に据える是非について、S&P500との違いや過去のデータを交えながら解説します。
NASDAQ100とS&P500の基本的な違い
NASDAQ100は、ナスダック市場に上場する時価総額上位100社を対象にした指数で、テクノロジー企業の比率が非常に高いのが特徴です。Apple、Microsoft、NVIDIAなどが構成銘柄の上位を占め、いわゆる「グロース株」中心の構成となっています。
一方でS&P500は米国の代表的な大型株500社で構成されており、業種分散に優れている点が強みです。情報技術だけでなく、金融、ヘルスケア、生活必需品などもバランスよく含まれており、より「市場全体」を反映したインデックスと言えます。
過去のパフォーマンスとリスク比較
長期的にはNASDAQ100はS&P500よりも高いリターンを記録しています。たとえば、過去10年間(2013〜2023)の年平均リターンを見ると、NASDAQ100はおおよそ年率15〜18%と非常に好成績でした。一方、S&P500は年率10%前後と安定的なパフォーマンスにとどまっています。
しかし、下落局面においてはNASDAQ100の方が大きく値を下げる傾向があります。たとえば、2022年の調整局面ではS&P500が約-18%に対し、NASDAQ100は-33%超の下落となりました。このようにリスク(ボラティリティ)は明確に高いという点には注意が必要です。
NASDAQ100をコアにする投資戦略の考え方
NASDAQ100をコアに据えること自体は間違いではありませんが、「リスク許容度」や「運用目的」に応じたポートフォリオ設計が求められます。たとえば若年層で長期運用を前提としている場合、NASDAQ100の成長力に賭けるのは合理的な選択となります。
一方で退職間近や資産を守るフェーズにある投資家は、S&P500や全世界株式などを主軸に据え、NASDAQ100はサテライト的な位置づけにとどめるのが安全と言えるでしょう。
実例:コアをNASDAQ100にしたポートフォリオの組み方
たとえば、コア資産としてNASDAQ100に60%、補完として米国債ETFに20%、S&P500に20%といった構成にすれば、成長性と安定性のバランスを取りやすくなります。リバランスを年1回程度実施することで、過度な集中を避けつつリターンも狙えるでしょう。
また、NASDAQ100は為替リスクの影響も大きいため、為替ヘッジの有無についても検討しておくことが重要です。
まとめ:NASDAQ100は「コアにできるが注意点あり」
NASDAQ100は高成長セクターに集中しているため、コア投資対象として魅力的です。しかしその分、リスク(変動性)も高いため、S&P500などとのバランスを考慮しながら構成することが大切です。
投資の成功には、指数そのものの性質を正しく理解し、自分のリスク許容度や運用目的と照らし合わせて判断する視点が欠かせません。NASDAQ100をコアに据える場合は、そのリスク管理をしっかりと意識して取り組みましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント