海外株式インデックスを中心に積立投資を続けている人にとって、国内預金(普通預金・定期預金)を国内債券の代替として組み込むのは有効なのか悩ましい点です。この記事では、預金と債券の違いと役割を整理し、リスク分散の観点から検討する視点を提供します。
まず押さえるべき:現金と債券の違い
現金(預金)は流動性が高く、価値が減らない一方で、インフレによって実質価値が目減りする可能性があります。債券は元本保証はないものの、利息収入を生み、株式と逆相関や非相関性を持つため、ポートフォリオの安定化に役立ちます。
現金は元本保証+流動性重視、債券は利回り・安定収入+株式との分散効果がある点が大きな違いです。
預金を「国内債券の代替」とするリスクと制約
預金は債券と異なり、利息は低く、長期的なリターンは期待できません。また、債券が持つ「価格変動による調整機能」は預金にはありません。
さらに、預金と投資信託だけの構成では、資産のリバランス機能が働きづらく、時間分散には対応できても、市場環境変化に応じた補正ができないという課題もあります。
それでも預金を組み込む選択肢としてどう位置づけるか?
- 生活防衛資金として3〜6ヶ月分を預金で保持しつつ、残りを海外株式に充てる
- 安定した利息収入ではなく、主にリスク抑制・精神的安心のための枠として現金を保有
- 債券に比べて安全性は高いが、期待リターンは低いため、投資と位置づけるよりも防衛資産として捉える
分散理論からみた預金と債券の役割の違い
現代ポートフォリオ理論では、株式と債券は負の相関や低相関を持つことで効果的なリスク分散になります。現金も非相関性はありますが、利回りが極めて低いため、債券とは別物として扱うべきです。
例えば60:40の株式・債券配分は歴史的にリスクとリターンのバランスが良好とされていますが、現金を債券の代替にすると、再分散設計が崩れ、期待リターンも下がる可能性があります :contentReference[oaicite:0]{index=0}。
積立のみでのリバランス不在の問題
海外株式を定額積立しているだけでは、他の資産(現金や債券)との割合が市場変動に応じて偏り続けます。
本来は、一定期間ごとにポートフォリオ構成比をチェックし、必要に応じて調整(リバランス)することが望ましいですが、現金主体ではその機能が働きづらい状況になります。
実例:預金+株式だけの構成と典型的な債券バランスの違い
例えば、株式100%に対して現金20%・株式80%で構成した場合、債券が含まれる50/50構成と比べ、下落相場時に防御力が劣ります。
また、現金はインフレに弱く、長期では実質価値が目減りします。一方、債券はインカムを生むため、期待収益性も維持できます。
まとめ:預金は補完にはなるが、債券の代替にはならない
● 国内預金は海外債券の代わりにはならず、あくまで生活防衛費やリスク緩和の補完として位置づけるべきです。
● 債券が持つ「収益性と分散性」を得たいなら、一定割合で債券(国内・国際問わず)を含めることが推奨されます。
● 積立投資中心の場合も、年に1〜2回は資産配分を見直し、必要に応じてリバランスすることを意識しましょう。

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