インターネット証券の利便性が進む一方で、セキュリティ対策も高度化しています。SBI証券では、スマートフォンからのログイン時に「電話認証」が導入され、セキュリティ強化が図られています。一方で、「0120番号への発信＝SBI証券の経費増加」や「万が一の口座乗っ取り時の補償」の有無など、ユーザーから見えにくい部分への関心も高まっています。この記事では、電話認証の仕組みや費用、口座乗っ取り時の補償制度について詳しく解説します。
SBI証券の電話認証とは？
SBI証券ではログイン時に不審なアクセスと判断された場合、追加の電話認証が必要になります。これは、事前に登録されたスマホの電話番号に「0120」番号から発信され、自動音声で認証が完了するという仕組みです。
このシステムにより、不正ログインのリスクを減らすと同時に、ユーザー自身がログインを試みたことの確認が取れるため、高いセキュリティを実現しています。
0120番号による発信は誰の費用負担？
0120番号（フリーダイヤル）での発信は、一般的に受信側、つまり電話をかけられた側には費用はかかりません。SBI証券がこの通話にかかる費用を負担しています。
セキュリティを維持するための必要コストと捉えられており、企業全体のITセキュリティ予算の一部として組み込まれている可能性が高いです。ユーザー側は費用を気にせず安心して利用できます。
実際に起きた口座乗っ取り事件とは
2024年に報じられた60代の大学講師が被害に遭ったSBI証券口座の乗っ取り事件では、パスワードや認証コードが何らかの手段で流出し、第三者により株式の売却と資金移動が行われました。
この事件では、SBI証券が被害の調査後に一部または全額の補償を行った可能性があり、利用者保護の姿勢が確認されました。ただし、全てのケースで補償されるわけではない点に注意が必要です。
口座乗っ取り時の補償制度と条件
SBI証券は不正アクセスによる損害に対して、一定の補償制度を設けています。ただし以下の条件を満たす必要があります。
- 本人が過失なく正当な管理をしていた場合
- 速やかに被害を申告していること
- セキュリティ対策（ウイルス対策ソフト導入など）を講じていたこと
逆に、パスワードの使い回しやフィッシング詐欺に引っかかったケースでは「ユーザー側に過失あり」とされ、補償対象外となる可能性もあります。
万が一のためにできるセキュリティ対策
口座の乗っ取りを防ぐためには、以下のような基本的対策を徹底することが重要です。
- パスワードは他サイトと異なる強固なものを設定
- 定期的にログイン履歴や残高を確認
- スマートフォンやPCのOS・ウイルス対策ソフトを最新に保つ
- 不審なメールやSMSのリンクは絶対に開かない
また、SBI証券の「認証アプリ」や「ワンタイムパスワード」など、複数段階の認証も利用することが推奨されます。
まとめ：セキュリティコストと補償制度を理解して安全な資産運用を
電話認証にかかるコストはSBI証券が負担しており、ユーザーは安心してログイン操作ができます。また、万が一の乗っ取りに対しても一定の補償制度がありますが、ユーザーのセキュリティ意識や管理状態が大きく影響します。
ネット証券を利用する上で、便利さだけでなくリスク管理も重要です。自分自身の資産を守るためにも、日頃からのセキュリティ対策を徹底しましょう。
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