投資信託のパンフレットやセミナーなどでよく見かけるのが「複利の力」に関する説明です。特に長期投資におけるメリットとして「20年・30年後に大きく差が出る」というグラフが用いられることが多いですが、果たして本当に5年程度では単利と大差がないのでしょうか?本記事ではその仕組みや期待できる効果について、投資初心者にもわかりやすく解説します。
複利とは何か?単利との違い
まず前提として、複利とは「利子が利子を生む」仕組みです。たとえば年利5%の投資信託に100万円を預けた場合、単利であれば毎年5万円、5年後は125万円です。一方、複利であれば利子も再投資されるため、5年後には約127万6千円とわずかに増加しています。
この差は初期段階では小さいですが、年数が経つごとに加速度的に大きくなります。これが複利の「本領発揮は長期投資」という所以です。
5年以内ではほぼ単利?その見方は一理ある
確かに5年やそこらでは、単利と複利の差はわずかであるのは事実です。例えば100万円を年利5%で投資した場合、単利では5年で25万円の利益ですが、複利だと27万6千円程度。差は2万6千円ほどと、それほど大きなインパクトは感じられないかもしれません。
そのため短期投資では「複利効果」に過度な期待を持たず、価格変動リスクやコスト管理を重視する心構えが重要となります。
20〜30年で現れる複利の真価
では本当に長期になれば複利効果は大きくなるのでしょうか?同じく年利5%で100万円を30年間運用した場合、
- 単利:100万円+150万円=250万円
- 複利:約432万円
なんと約182万円の差が生まれます。このように時間が長くなるほど、複利による「利息の利息」が大きな差を生むのです。
これは「時間が複利の最大の武器」と呼ばれる理由であり、長期的に資産形成を考える場合、極めて大切な視点になります。
積立投資における複利効果の実感ポイント
毎月積立を行う「ドルコスト平均法」のような投資手法でも、複利の影響は時間の経過とともに現れてきます。たとえば月3万円を20年間積み立て、平均年利5%で運用した場合、
- 元本:720万円
- 最終資産:約1,237万円
この差額の約517万円が「複利の恩恵」と言える部分です。
もちろん相場環境や運用成績によって結果は変わりますが、積立×長期×複利の組み合わせは、資産形成において非常に強力な戦略といえるでしょう。
複利効果を最大限に活かすために必要なこと
複利の力をしっかりと得るためには、以下の点を意識しましょう。
- 時間を味方にする(長期保有)
- 運用益を再投資する(配当・分配金の再投資)
- 無理なく継続できる積立額を設定する
- 信託報酬などのコストに注意する
一時的な下落に振り回されず、粘り強く継続することが成功のカギとなります。
まとめ:複利は「じわじわ効いて、ドカンと効く」時間が育てる投資の力
・5年以内では単利と複利の差は小さく、複利効果を過信しすぎない姿勢が必要。
・20〜30年のスパンでは複利のパワーが明確に表れ、大きな資産差に繋がる。
・複利効果を得るには「再投資」「長期継続」「低コスト」がキーポイント。
・短期的には価格変動の影響が大きく、長期でこそ複利は真価を発揮する。
投資信託で資産形成を考えるなら、複利を信じて「時間をかけて育てる」視点を持つことが成功への近道です。

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