経済学において、財(モノやサービス)は所得や需要の関係に応じて「上級財」「中級財(正常財)」「下級財」に分類されます。本記事では、その中でも特に「上級財」と「中級財」について、定義の違いや特徴をわかりやすく解説しながら、代表的な例をできる限り多く紹介していきます。
上級財とは何か?
上級財(Superior goods)は、消費者の所得が増加したときに、その需要が相対的に大きく増える財を指します。つまり、所得の上昇によってより多く消費される、ぜいたく品や高付加価値品がこれに該当します。
代表的な上級財の例:
- 高級車(例:メルセデス・ベンツ、レクサス)
- 海外旅行
- ブランドバッグ(例:ルイ・ヴィトン、エルメス)
- 高級腕時計(例:ロレックス、オメガ)
- 高級住宅・分譲マンション
- ファーストクラスの航空券
- 高級レストランの食事
- 私立の高額学費の教育機関
- 美術品や骨董品
- プレミアムワインやウイスキー
- オーダーメイドスーツ
- 高性能家電(例:全自動洗濯乾燥機、高級オーディオ)
中級財(正常財)とは何か?
中級財、あるいは正常財(Normal goods)は、所得が増加することで需要も増える財ですが、上級財ほど急激ではありません。日常生活に密接に関わり、生活レベルに応じて消費が増える傾向がある商品群です。
代表的な中級財の例:
- 冷蔵庫、電子レンジなどの一般家電
- ファミリーレストランの食事
- ユニクロ、GUなどの中価格帯衣料品
- 中型車(例:トヨタ・カローラ、ホンダ・フィット)
- 国内旅行(新幹線利用など)
- 市販の医薬品やサプリメント
- パソコン・スマートフォン
- フィットネスクラブの会費
- 電動自転車
- 都市部の賃貸住宅(ファミリー向け)
- 書籍・通信講座・スキルアップ教材
- スーパーでのブランド食品(例:明治、日清など)
上級財と中級財の違いを見極める視点
両者の違いは「所得の増加による需要の変化の度合い」にあります。上級財は、贅沢品やステータス商品であり、所得が増えると急激に需要が伸びます。一方、中級財は日常の質を高めるもので、緩やかに需要が増加します。
また、ある財が上級か中級かは、地域・文化・個人の価値観によっても変わる可能性があります。たとえば、コーヒー豆は一般家庭にとっては中級財でも、ある層にとっては高級嗜好品=上級財になることもあります。
注意したい分類の相対性
経済学では、財の分類はあくまで「ある所得水準と需要の関係性」によって変わるものであり、固定的な分類ではありません。つまり、同じ商品でも所得の低い人には中級財、高所得層にとっては下級財と感じることもあります。
このように、財の分類は流動的であり、分析や政策立案ではこうした相対性を前提に考える必要があります。
まとめ:例と原理を両方理解することがポイント
上級財と中級財は、経済学的な需要分析やマーケティング戦略を考える上で重要な概念です。多くの例を通じてイメージを具体化し、理解を深めておくことで、実際のビジネスや日常生活でも応用がしやすくなります。
ぜひ、身の回りの商品についても「これは上級財か?中級財か?」という視点で観察してみてください。経済の動きがより身近に感じられるようになるはずです。

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