NISAの成長投資枠で評価損益がマイナスのときに金額指定で売却したらどうなる?初心者向けにわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

つみたてNISAや新NISAの成長投資枠では、非課税で投資ができることから、多くの方が将来の資産形成に活用しています。ただし、評価損が出ているときに金額指定で売却する場合、評価損益と売却益がどう変わるのかは初心者にとって非常にわかりにくい点です。この記事では、具体的なシミュレーションを用いて、わかりやすくその仕組みを解説します。

前提知識|NISA口座と評価損益・売却益の違いを整理しよう

NISA口座では、値上がり益や配当益に税金がかかりません。ただし、評価損益とは「現時点で保有している資産の値上がり・値下がり」であり、売却益(譲渡益)は「実際に売却したときの損益」のことを指します。

つまり、含み損が出ている状態でも、売却時の価格と購入価格で損益は確定するため、「売却してはじめて確定する」という点がポイントです。

実例で解説|評価損状態での金額指定売却とは?

以下のようなケースを考えてみましょう。

  • 基準費用額(平均取得単価)1,000円で100株=10万円分購入
  • 現在の基準価格は900円=含み損状態(-10%)
  • 50,000円分を金額指定で売却

この場合、900円×株数で売却するため、50,000円÷900円≒55株が約定されます。実際に売却された分は、取得額:55株×1,000円=55,000円
売却額:55株×900円=49,500円
なので、損失は5,500円です。

つまり、売却した時点で確定した損失(売却損)は5,500円となり、これは非課税で処理されます。

金額指定と株数指定の違いに注意しよう

「金額指定」で売却する場合、証券会社側でその金額に相当する株数を計算し、株数ベースで売却注文が入ります。逆に「株数指定」で売却する場合は、株価がいくらであろうと指定した株数を売却します。

どちらの方法でも評価損益が変動するわけではありませんが、売却後の損益に違いが出るため、売却方法は慎重に選ぶ必要があります。

売却後のNISAの枠はどうなる?|再利用できない点に注意

成長投資枠で一度使用した投資枠は、売却してもその年の非課税枠には戻りません。つまり、マイナスで売却した場合も、翌年の枠まで待たなければ再投資ができない仕組みになっています。

そのため、含み損状態で焦って売却するよりも、「損切り」と「非課税枠の消費」を天秤にかけた判断が求められます。

楽天証券やSBI証券の売却画面でチェックするポイント

楽天証券では、NISA口座内での保有商品を「評価額」「取得単価」「評価損益」などの項目で表示してくれます。売却時には「金額指定」または「株数指定」が選べ、その場で概算の売却損益も表示されるため、事前にチェックしておくと安心です。

また、売却前に損益シミュレーションを行うことで、誤解を防ぐことができます。

まとめ|評価損のときの金額指定売却は損益確定に注意

成長投資枠のNISAでは、評価損状態でも金額指定で売却は可能ですが、その分の売却損が確定します。評価損益と売却損益は別物であること、売却後の非課税枠は戻らないことを理解したうえで、戦略的な投資判断が求められます。

大切なのは、短期的な損益に一喜一憂せず、長期の視点で「何のためにNISAを使うのか?」を見失わないことです。

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