株式取引で損失が出た場合、税金の取り扱いや還付金について複数の情報があり混乱することも少なくありません。特に楽天証券などネット証券を利用している場合、自動的に何が行われるのか、確定申告が必要なのかなど、正確な知識を持つことが大切です。本記事では、株の損失と還付の仕組みについて、実際の制度と操作例を交えて解説します。
まず知っておきたい「特定口座(源泉徴収あり)」の仕組み
楽天証券などで「特定口座(源泉徴収あり)」を利用している場合、株式取引によって生じた利益に対する税金は取引の都度、自動で計算・徴収されます。このため、基本的には確定申告を行わなくても税務処理が完結する仕組みです。
ただし、損失が発生した場合、その損失を使って税金の一部を取り戻すには、口座の設定や確定申告が関係してくる点に注意が必要です。
「還付金」が出る3つのパターンを正確に整理する
ネット上で見られる「還付金が戻ってくる」情報は、以下のように異なる状況を指しています。
- ① 損失がある場合、年内に利益と相殺されて即時還付されるケース
→これは、同じ特定口座内で損益通算が完了した場合に限ります。利益がある月に税金が徴収され、後の月に損失が出た場合、税務上は「過徴収」とみなされ、数日~数週間で証券口座に「還付金」として入金されます。 - ② 年度内に還付が行われないが、年明けに年間通算が行われるケース
→これは、楽天証券が翌年1月に年間損益を計算して自動的に損益通算し、還付が発生すれば2月頃に証券口座へ入金されることがあります。ただし、税額が微小な場合や損益通算の結果還付がない場合もあるため、履歴に残らないことも。 - ③ 確定申告をして初めて還付を受けられるケース
→異なる証券会社で損益が分散している場合や、源泉徴収あり口座以外の口座を使っている場合は、確定申告による損益通算が必要になります。この場合、還付金は申告後に税務署から銀行口座に振り込まれます。
楽天証券で実際に還付金が戻る条件とは?
楽天証券で還付が発生する主な条件は以下の通りです。
- 年間を通じて損失が利益を上回った
- 特定口座(源泉徴収あり)を使用している
- 楽天証券内で完結した取引である
この条件を満たしていれば、楽天証券の「年間取引報告書」で確認でき、還付金は1月下旬~2月頃に証券口座へ入金されます。楽天証券の「入出金明細」から「還付金」の名目で確認できます。
確定申告が必要となる代表的なケース
次のような場合は、自ら確定申告を行うことで初めて還付が実現します。
- 複数の証券口座(楽天証券+SBI証券など)で損益が発生している
- NISA以外の一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を使用している
- 3年にわたって損失を繰り越して控除したい場合
確定申告では「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」などを作成して、還付請求を行います。税務署に提出後、約1か月~1.5か月で銀行口座に還付金が振り込まれます。
損失繰越控除で翌年以降の節税も可能
株式の損失は、確定申告をして「繰越控除」の手続きを取れば、翌年以降3年間にわたって利益と相殺できます。つまり、翌年に利益が出たときの税金を抑えることが可能です。
このため、2024年に10万円の損失が出て、2025年に20万円の利益が出た場合、10万円分は繰越損失として控除され、利益は実質10万円となり税金も減額されます。
まとめ:株の損と税金の仕組みを理解すれば還付は受け取れる
株式で損失が出た場合でも、その損失を上手に活用すれば税金の還付や将来の節税が可能です。楽天証券の「特定口座(源泉徴収あり)」で取引していれば、基本的な損益通算は自動で行われますが、複数口座を使っていたり、繰越控除を活用したい場合には確定申告が必要になります。
確定申告が必要かどうか迷う場合は、証券会社や税理士、または税務署の窓口に相談することをおすすめします。

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