生活保護を受給しながら資産を持つことについて、特に株式の保有に関しては慎重な配慮が必要です。制度のルールを正しく理解していないと、思わぬ支給停止や返還請求につながる恐れもあります。本記事では、生活保護受給者が「一社だけの株式を持ちたい」と思ったとき、どのようなルールや手続きが必要なのかをわかりやすく解説します。
生活保護制度における資産の取り扱い
生活保護制度では「資産はまず活用すべきもの」と定義されています。つまり、預貯金・不動産・自動車・株式などの保有が確認された場合、原則としてそれらを処分して生活費に充てることが求められます。
株式も資産に該当するため、保有していることが分かれば売却を求められる可能性があります。特に保有価値が高い、または配当収入が見込まれる場合は注意が必要です。
一社の株だけ保有することは可能なのか?
一社だけを選んで少額で保有したいというケースは、「記念保有」や「贈与による取得」など特別な事情を伴うことがあります。例えば、親族からの相続で得た1株を保有している場合などです。
このような場合でも、事前に福祉事務所へ申告し、資産価値や意図を説明する必要があります。無申告で発覚した場合、不正受給と判断される可能性があります。
配当や株価上昇による収入がもたらす影響
株式保有によって得られる配当金や値上がり益は「収入」とみなされます。そのため、年間数百円でも配当が出る場合は収入申告が必要で、保護費の減額調整が行われることがあります。
また、売却益があった場合には、一時的な収入として翌月の生活保護費が停止になることもあります。少額だから大丈夫と自己判断せず、すべて福祉事務所に報告することが重要です。
生活保護を受けながら資産を持つための正しいステップ
- 事前に相談する:株式の取得や保有の意向がある場合は、福祉事務所にその旨を伝え、許可を得ること。
- 少額・配当なしの銘柄を選ぶ:たとえば議決権のみ目的の単元未満株など、収益性のない株なら許可が出る可能性も。
- 報告を怠らない:配当や売却益などが発生したら、速やかに申告して収入認定を受ける。
これらのプロセスを経ることで、合法的に一社だけの株を保有する道が開けます。
実例:記念株の保有と生活保護の両立ケース
ある自治体では、親の形見として譲渡された「1株のみの記念保有」が認められたケースがあります。この際、株の評価額が低く、配当も発生していないことが前提となっており、「生活維持に活用できる資産ではない」と判断されました。
一方で、配当付き株式を黙って保有していた事例では、後に発覚し、生活保護費の返還を求められたケースも報告されています。
まとめ:必ず相談と申告を、そして無理のない保有を
生活保護と株式保有は両立できないわけではありませんが、ルールに基づく透明な申告と、福祉事務所との密なコミュニケーションが不可欠です。
一社のみを記念や思想的な目的で保有したい場合でも、事前相談を怠らず、誤解を招かないように正しい情報管理を心がけましょう。小さな誤解が「不正受給」として扱われるリスクもあるため、慎重に行動することが大切です。

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