オルカンとインベスコ世界株式ファンドを比較:長期投資で有利なのはどっち?

資産運用、投資信託、NISA

投資信託での資産形成を考えるとき、人気ファンドの比較は避けて通れません。なかでも「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))」と「インベスコ世界株式ファンド(年1回決算型)」の2つは、長期投資を視野に入れた投資家からよく比較されるファンドです。この記事では、それぞれの特徴を明らかにしつつ、長期的にどちらが優位になりやすいかを検討します。

ファンドの基本構造を比較

オルカンはMSCI ACWI(先進国と新興国含む全世界)をベンチマークとし、世界中の株式に幅広く分散投資します。一方、インベスコ世界株式ファンドは独自の銘柄選定アプローチを採用し、アクティブ運用で高いリターンを目指します。

前者はインデックスファンド、後者はアクティブファンドという点が大きな違いであり、投資家のリスク許容度や投資スタンスによって評価が分かれます。

コスト面の差は長期で大きな影響に

オルカンの信託報酬は年0.1133%(2025年6月時点)と非常に低水準で、長期保有するほどコスト面での優位性が顕著になります。対して、インベスコ世界株式ファンドは年1.76%程度と高く、リターンがよほど上回らない限り、長期的にはコスト負担がパフォーマンスに影を落とします。

投資はコストとの戦いでもあります。特に20年以上保有するような積立投資では、信託報酬の差が数十万円以上になることも。

リターンの比較:実績と将来性

オルカンはインデックス連動型なので市場全体の成長を享受できます。過去のMSCI ACWIの実績から見ても、安定した右肩上がりの成長が見込めます。

一方、インベスコ世界株式ファンドはテーマ型や特定の成長セクターに投資することが多く、当たれば高リターンも期待できますが、市場環境によっては大きくマイナスに振れるリスクもあります。

分配金の有無と再投資効果

オルカンは分配金なしで、利益はすべて基準価額に反映されます。これにより、複利効果を最大限に活かせます。対して、インベスコ世界株式ファンドは年1回分配型で、分配金を受け取る設計です。

定期的に現金収入が欲しい場合は後者も魅力ですが、再投資による複利効果を活かしたい長期投資家にはオルカンのほうが有利です。

初心者や投資継続に自信がない人に向いているのは?

分かりやすさや安定性、長期での資産形成に適している点から見ると、初心者にはオルカンがおすすめです。シンプルな運用方針、低コスト、世界に分散されたリスクという三拍子が揃っています。

インベスコはテーマ型投信の特性上、市場に対する知識やトレンドの把握が必要になるため、投資初心者にはややハードルが高い印象です。

まとめ:コストと再投資重視ならオルカンが堅実

オルカンとインベスコ世界株式ファンドは、性質がまったく異なるファンドです。長期的に「どちらが勝つか」という問いに対しては、コストの低さ・分散投資・複利効果という観点から、オルカンがより堅実な選択肢と言えるでしょう。

ただし、インベスコのテーマや運用哲学に共感し、市場タイミングを読みながら運用できる上級者であれば、高リターンを狙う戦略も成立します。

最終的な選択は、ご自身の投資目的・リスク許容度・投資期間によって異なります。比較検討し、自分に合ったファンドを選びましょう。

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