FXトレーダーにとって米国雇用統計(Nonfarm Payrolls, NFP)は最重要イベントの一つ。特に21:30(日本時間)に発表される瞬間はボラティリティが激しく、短時間で大きく利益を狙える一方、タイミングを間違えると損失リスクも高まります。今回は「発表直後ではなく22:30頃にエントリーする」という戦略がなぜ勝率が上がらないのか、どのような取引が効果的かを実践的に解説します。
なぜ雇用統計は注目されるのか
米国雇用統計は、FRB(米連邦準備制度)が利上げ判断などに用いる経済指標の中でも特に重要なデータです。特に「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」はマーケットの材料として強く反応します。
期待値との乖離が大きいほどドル円やユーロドルなどの通貨ペアで瞬時に大きな値動きが発生するため、短期トレーダーにとっては絶好のチャンスともいえます。
21:30直後の動きとその特徴
発表直後は、わずか数秒〜数分で50〜100pips以上動くことも珍しくなく、以下のような特徴があります。
- 方向性がブレやすい:初動で騙しが発生するケースが多い
- スプレッドの急拡大:スキャルピング勢には不利な環境
- リクイディティ(流動性)が急変:指値が通りづらく滑ることも
このため、21:30直後に無防備にエントリーするのはリスクが高く、初心者には特に注意が必要です。
22:30エントリーの弱点とその原因
22:30頃は「初動の値動きが一段落し、レンジ相場に戻る」時間帯でもあります。この時間にポジションを持つと以下のような課題が生じます。
- 方向感がなくだらだらとした動きに巻き込まれやすい
- 既にトレンドが終息し、利益を取りにくい
- インパクトが小さい場合は値幅が伸びにくい
つまり、22:30のエントリーは「材料出尽くし後の様子見相場」にエントリーしている状態とも言えます。
おすすめの戦略:雇用統計トレードで意識すべき3つの時間軸
雇用統計トレードで勝率を上げるためには、以下の時間帯を明確に意識した戦略設計が重要です。
- ① 21:30直後(0〜5分):完全スキャル用。方向性が確定しておらずリスクが大きい
- ② 21:35〜21:45:第一波動の方向が固まる。押し目・戻り売りで短期参入できるベストゾーン
- ③ 22:00以降:ボラティリティが低下。ポジションは持たず、ノーポジで様子見も戦略の一つ
トレンド方向が明確な場合、21:35以降に「押し目買い」「戻り売り」の戦術で1〜2回程度のトレードに絞る方が、高勝率かつ低リスクです。
実例:雇用統計後に勝ちパターンで入ったケース
2023年10月の雇用統計では、予想よりも強い数値が出てドル円が急騰。21:33に1回大きく上昇した後、21:38に軽く押し目を作り、その後再度上昇。
このパターンで21:40にロングエントリーし、21:50頃に約40pipsの利確をしたトレーダーが多く、「2波で取る」戦略が機能した典型的なケースでした。
まとめ
FXにおける雇用統計発表時の取引は、タイミング次第で勝率が大きく変わります。
22:30のエントリーはリスクが低い代わりに、勝率も下がりやすい時間帯です。トレンドが明確になる21:35〜21:45の間に狙いを定め、短期の波に乗る形が最も実用的で勝率も安定します。
また、必ずしもエントリーしない「見送り」という選択肢も含めて、状況に応じた判断力を養うことが、勝ち続けるトレーダーへの第一歩です。

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