FX(外国為替証拠金取引)は高いレバレッジを活用できる反面、わずかな時間でも大きな損失を被るリスクを内包しています。特に「1分足」などの短期チャートでは、瞬間的な急変動によって損切りすら間に合わない状況も起こり得ます。本記事では、そのメカニズムとリスク回避のための実践的な対策を詳しく解説します。
1分足チャートの意味と限界
FX取引における「1分足」は、1分間の値動きを1本のローソク足で表すチャートです。短期トレーダーにとっては貴重な情報源ですが、このチャートで表示されるのはあくまで『結果』であり、その1分間の途中にどれほど激しい値動きがあったかはわかりません。
つまり、「1分足で見える変動」よりも「1分間に発生しうる急変動」の方が遥かに大きなリスクになり得るということです。
1分間での急落とスリッページの可能性
相場はニュースや経済指標などで一瞬にして大きく動くことがあります。このとき、設定していた損切りラインが滑って(スリッページ)大幅に不利な価格で約定することも。これにより、損切りが間に合わず証拠金を超えた損失=追証が発生することがあります。
たとえば、2015年1月のスイスフランショックでは、1分間で数千pips動いたことで多くの個人投資家に追証が発生しました。
強制ロスカットとは何か?
多くの国内FX業者には強制ロスカット制度があり、証拠金維持率が一定以下になると自動的にポジションが清算される仕組みです。これは追証を避ける安全装置でもありますが、急激な変動時にはこのロスカットが正常に機能せず、強制清算が間に合わないこともあります。
特に、週末の窓開けや大きな地政学リスクが絡む相場では、レートが飛びやすく、土日をまたいでポジションを持ち越すのは非常にリスクが高くなります。
どんなときに追証が発生しやすいのか
- 経済指標発表時(米雇用統計やFOMCなど)
- 中東情勢や戦争などの突発的な地政学的リスク
- 中央銀行の緊急利上げ・利下げなど
- 週明けの窓開け相場
こうしたイベント時は通常の値動きでは想定できないスピードで価格が動くため、あらかじめポジションを持たない、レバレッジを落とすなどの対策が必要です。
実際の事例:フラッシュクラッシュ
2019年1月3日、ドル円や豪ドル円が数分で急落した「フラッシュクラッシュ」では、多くの個人投資家が損切りすらできずに損失を拡大させました。特に日本時間の早朝など、流動性が低い時間帯はこうした異常値動きが発生しやすくなります。
このようなケースでは、通常のリスク管理では防げず、そもそもその時間帯に取引を控えるのが最大の防御策となります。
まとめ:追証を防ぐにはリスクの理解と管理が必須
FXでは、1分間の中で損切りが間に合わないほどの急落が発生する可能性があります。これによって追証が発生するリスクはゼロではありません。リスクを最小限に抑えるには、レバレッジの抑制、重要指標前のポジション整理、損切り設定と時間帯の意識などが不可欠です。
短期足を使ったトレードには魅力がありますが、その背後にある危険性をしっかり認識し、安全に取引を行うことが求められます。

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