「景気が悪い」「生活が苦しい」と感じている人が多い一方で、日経平均株価や企業の決算は過去最高水準。こうした“景気と株価の乖離”に疑問を感じる声が増えています。この記事では、なぜ株価が高いのに庶民の生活が楽にならないのか、その構造をわかりやすく解説します。
株価と実体経済は必ずしも一致しない
まず前提として、株価は「企業の将来への期待値」であり、実体経済とはタイムラグがあります。株価は企業の業績、金利、為替、世界経済の動向などを織り込んで動きます。
たとえば輸出企業は円安によって利益が増え、それが株価上昇の材料になりますが、それが即座に個人の給与増に反映されるわけではありません。
企業が順調でも賃金が上がりにくい理由
日本の多くの企業は利益を上げても、内部留保として資金を溜め込みやすく、従業員への分配に慎重な傾向があります。
また、非正規雇用比率の増加や年功序列型賃金の崩壊により、特に若年層・単身世帯・子育て世帯にとっては「実感なき景気回復」となるケースが多いです。
「生活が苦しい」の背景にある物価高と実質賃金の低下
最近のインフレ(物価上昇)は主に輸入コストやエネルギー価格の上昇による“コストプッシュ型”です。一方で、給与が物価上昇に追いつかない状況が続いており、実質賃金(=名目賃金-物価上昇率)はマイナスが続いています。
つまり、「給料は上がっているように見えても、買えるモノが減っている=生活が苦しい」と感じるのは自然なことなのです。
家計にとっての景気と企業にとっての景気は別物
「企業の景気」=売上・利益・株価が好調
「個人の景気」=手取り・生活費・雇用の安定
このように、景気には複数の側面があります。「景気がいい」とされる状況でも、個人に恩恵が回ってこなければ不景気に感じるのは当然です。
特に可処分所得(税や社会保険料を差し引いた実際に使えるお金)が減っている現状では、国民感覚とマクロ経済指標にギャップが生まれやすくなっています。
実例:2023〜2024年の日本における乖離
・日経平均は史上最高値更新(1989年を超えた)
・一方で実質賃金は20か月以上連続マイナス
・電気・ガス・食料など生活必需品の物価が前年比5〜15%上昇
・中小企業や非正規雇用者には十分な賃上げが及ばず
まとめ:見かけの景気と実感の景気は違う
・株価や企業業績が好調でも、庶民の生活は苦しい場合がある
・賃金の上昇が物価に追いついておらず、実質的な生活水準が低下
・個人の体感としての“景気”は、所得・支出・雇用の安定によって決まる
「株高=好景気」という単純な構図では語れない、現代日本の複雑な経済構造を理解することが、将来の判断力にもつながります。

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