個別株投資を始めたばかりの方にとって、「年間リターンの計算方法」は非常に重要な指標です。しかし、「利確していない含み益を含めるのか?」という点で混乱する方も多いでしょう。この記事では、正確な年間リターンの算出方法や注意点を、初心者にもわかりやすく解説します。
年間リターンとは何か?目的と意義を整理
年間リターンとは、投資元本に対して1年間でどれだけ利益(または損失)を得たかを表す指標で、投資パフォーマンスの評価に使われます。
一般的な計算式は以下の通りです。(売買損益 + 配当金) ÷ 元本 × 100
ただし、この数値の意味を正確に把握するには、どの「利益」を含めるのかを明確にする必要があります。
含み益は年間リターンに含めるべきか?
基本的に「年間リターン」を算出する際には確定した損益(実現損益)のみを使用します。つまり、まだ売却していない保有株の評価額(含み益・含み損)は含めません。
理由は、含み益はまだ確定しておらず、相場の変動によって大きく変化するためです。確定損益のみを使うことで、より安定したパフォーマンス評価が可能になります。
例:実現損益と含み益を分けた年間リターン計算
例えば、投資元本100万円で3銘柄を運用していて、うち2銘柄を売却し5万円の利益、配当金が1万円、未売却銘柄に3万円の含み益がある場合。
- 確定リターン:
(5万円+1万円)÷ 100万円 × 100 = 6% - 含み益込みリターン(参考値):
(5万円+1万円+3万円)÷ 100万円 × 100 = 9%
このように、確定リターンと参考リターンを別で記録することで、自分の投資状況を客観的に評価しやすくなります。
投資管理に便利な2種類のリターン指標
1. 実現リターン(確定ベース)
実際に売却・配当で得た金額のみで計算。ポートフォリオの確実な成績を把握可能。
2. 時価評価リターン(含み損益込み)
未実現の含み益・損を含む時価ベースでの評価。現在の全体パフォーマンスを可視化できるが、短期的なブレも大きい。
どちらを重視すべきか?目的に応じて使い分け
・年末の成績報告や投資履歴管理には実現リターン
・日々のポートフォリオ評価や将来戦略には含み益込みリターン
投資家としてのスキルを高めるには、この2つの指標をうまく使い分けることが重要です。
まとめ:リターンの計算は目的に応じて正しく使い分けを
年間リターンを評価する際は、基本的には売却済みの損益と配当金などの「確定収益」に基づいて算出します。ただし、保有中の銘柄の評価も無視できないため、「参考リターン」として含み益込みの数値を併記すると、投資判断の材料としてバランスの取れた視点を持てます。
数字の裏にある「確定」と「評価」の違いを理解することが、長期的な投資成功の第一歩です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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