AIで著名人を偽装する詐欺の巧妙な手口とその理由とは?時間と手間をかけても彼らが詐欺を続ける本当の理由

資産運用、投資信託、NISA

最近、SNSやメッセージアプリでホリエモン(堀江貴文氏)などの著名人をAIで模倣し、投資グループへ勧誘する詐欺が急増しています。「どうせ誰も引っかからない」と思う人も多いかもしれませんが、実は詐欺師たちは戦略的に長期戦を選んでいます。この記事では、彼らがなぜ手間と時間をかけるのか、その背景と実情に迫ります。

詐欺師がAIを使って著名人を偽装する理由

AI技術の進化により、画像生成や音声合成が容易になり、有名人を模したコンテンツが簡単に作れるようになりました。これにより詐欺の「信頼性」が高まり、被害者が心理的に騙されやすくなっています。

特にSNSやYouTube広告では、ホリエモンやイーロン・マスクなどの著名人が登場するように見える動画が拡散され、「本人も投資している」という印象操作が行われています。

なぜ1年がかりで接触するのか?

詐欺グループは、1年がかりでターゲットに接触し、時間をかけて信頼関係を築くことを厭いません。これを「長期型詐欺(ロングコン)」と呼びます。

この手法は、一度に多くの人にアプローチして失敗するより、少人数に粘着的に接触し、信頼を得てから一気に騙す方が成功率が高いという経験則に基づいています。

「明らかに引っかからなそうな人」にも話しかける理由

詐欺師は数百人〜数千人単位で接触を行い、数%の成功率でも十分に利益が出る仕組みを構築しています。「絶対騙されない」と思っている人でも、心理的な揺さぶりをかけ続けることで判断力を鈍らせ、最終的にはお金を出してしまうケースがあります。

また、中には遊び半分でやり取りしているつもりの人が、徐々にコミュニティに馴染み、投資への関心を持ち始めてしまうこともあります。

詐欺グループの採算が合う仕組み

詐欺師たちは、多くの人を騙す必要はありません。仮に1,000人に接触し、そのうち3人が100万円を支払えば、300万円の利益になります。使用しているアカウントやAI素材は使い回しが可能で、人件費も外注や自動化で低コストに抑えられています。

さらに、「紹介報酬型」のスキームを導入し、被害者自身が新たなターゲットを連れてくることで、収益は指数的に拡大していきます。

実例:SNSで接触→グループ参加→少額課金→高額投資へ

ある事例では、X(旧Twitter)で著名人の偽アカウントから「投資の仲間を探している」と連絡が来たことが発端でした。数週間のやり取り後、限定のLINEグループに招待され、そこでは複数の「協力者」が成功体験を語る環境が整っていました。

最初は5,000円〜1万円程度の「練習用資金」で取引させ、当たりが出るような演出をした後、「次は本格投資」として数十万円の入金を促されました。

まとめ:詐欺は進化している。自分だけは大丈夫、は通用しない

AIと心理戦を駆使した詐欺は、もはや単純なものではありません。「どうせ騙されない」と考える油断こそが、最大の落とし穴です。

どんなに巧妙でも「有名人が直接勧誘してくる」「絶対に儲かる」話には、絶対に乗らない。それが最大の防御策です。情報を正しく見極め、自衛意識を持ち続けましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました