なぜ“優秀なアクティブファンド”が名指しされにくいのか?投資信託選びの本質を解説

資産運用、投資信託、NISA

アクティブファンドはインデックスファンドと比べて“平均的には”劣るという定説がある一方で、「平均を上回るアクティブファンドがあるなら、それを教えてほしい」と思う投資家は少なくありません。しかし実際には、具体名が挙がることは多くないのが現実です。この記事では、その背景や理由、そしてアクティブファンド選びの本質について解説します。

アクティブファンドとインデックスファンドの違いとは

まずは基本から整理しましょう。インデックスファンドは、市場平均(例えば日経平均やS&P500)に連動することを目的としたファンドで、手数料も比較的安く、パッシブ運用とも呼ばれます。

一方でアクティブファンドは、ファンドマネージャーの裁量により、銘柄を選別して市場平均を上回るリターンを目指します。コストは高めですが、市場平均を超える「超過リターン」が期待されます。

「平均以上のアクティブファンド」は確かに存在する

統計的には、多くのアクティブファンドがインデックスに勝てていないという結果があります。ただし、それはあくまで“平均”の話。中には明らかに長期でインデックスを上回っているアクティブファンドも存在しています。

たとえば「ひふみ投信」や「セゾン資産形成の達人ファンド」などは、長期で高パフォーマンスを残してきた実績があります。

それでも具体名が挙がりにくい理由

なぜ、優秀なファンドの名前がもっと頻繁に紹介されないのでしょうか?理由はいくつかあります。

  • 金融商品の広告規制:金融商品取引法では、不特定多数への特定ファンドの推奨が厳しく制限されています。
  • 過去の成績は将来を保証しない:過去に好成績でも、今後も同様のリターンが得られる保証がないため、推奨リスクが高い。
  • 一貫した上位ファンドが稀:ある年は好成績でも、翌年は下位に沈むなど、パフォーマンスが安定しないケースが多い。

このように、金融機関やメディアが「このファンドが最強!」と断言できない事情が存在しています。

優良アクティブファンドを見極めるポイント

それでも投資家自身で選びたいという方は、以下のような観点で比較するのが良いでしょう。

  • 過去5年、10年のリターン
  • リスク(標準偏差)に対するリターン=シャープレシオ
  • 運用哲学やファンドマネージャーの実績
  • 信託報酬などの手数料
  • 純資産の推移(人気と信頼性のバロメーター)

例えば、モーニングスターなどのサイトでは、定量的なデータを用いた比較が可能です。

インデックス派とアクティブ派のバランス思考

近年は、インデックスをベースにしつつ、アクティブファンドを補完的に使う投資スタイルも広がっています。たとえば「コア・サテライト戦略」として、コアはインデックス、サテライトに優良アクティブを配置する方法です。

これにより、リスクを抑えつつも、一定の超過リターンを狙うことができます。

まとめ:名指しが難しいのは理由があるが、自分で選ぶ力は持てる

「なぜ優秀なアクティブファンドが名指しされないのか?」という疑問には、法規制・リスク回避・パフォーマンスの不確実性という現実的な要因があります。しかし、投資家自身がリサーチ力を磨き、情報を見極める目を持てば、納得のいく投資判断が可能になります。

「誰かが薦めてくれないから選べない」ではなく、「自分で納得して選ぶ」ことが、投資成功の鍵なのです。

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