「ヨーロッパ株も日本株もパッとしない…やはり米国株しかないのでは?」そんな考えに至る投資家も少なくありません。世界経済が不安定な中で、どの地域に資産を投じるべきかは悩ましいテーマです。本記事では、日本株・ヨーロッパ株・米国株それぞれの特徴と、消去法でアメリカ株を選ぶ判断が果たして正解なのかを検証します。
日本株の現状:低成長・低配当が課題
日本株は、長期的に見て株価上昇の勢いが鈍く、PBR(株価純資産倍率)1倍割れの企業も多く見られます。構造的な賃金上昇の鈍さや人口減少、内需の限界などから、成長期待が持ちにくいという見方もあります。
一方で、2023〜2024年には岸田政権による資産所得倍増プランやNISA拡充といった追い風もあり、一部の成長株や高配当株には見直し買いが入り始めています。短期の値動きでは物足りなくても、長期的な配当狙いやバリュー投資では有望とする声も少なくありません。
ヨーロッパ株の特徴:安定性はあるが成長性に難
ドイツやフランスなどのEU主要国を中心としたヨーロッパ株は、エネルギー・金融・製薬などのディフェンシブ銘柄が多く、安定性が強みです。しかし、テクノロジー分野で世界をリードする企業が少なく、GAFAMのような爆発的成長株に乏しいというのが実情です。
また、為替リスクや地政学リスク(ウクライナ情勢など)も投資判断に影響を与えやすく、日本の個人投資家にとっては情報収集の難しさもネックとなっています。
米国株が選ばれる理由:成長企業と分かりやすい市場
アメリカ株が「消去法で残る」のではなく、能動的に選ばれる理由は明確です。
- GAFAMをはじめとする成長企業が多数上場
- 株主還元意識が高く、配当や自社株買いが活発
- 米ドル資産としての魅力
- 情報が豊富で個人投資家にもアクセスしやすい
さらに、ETFやインデックスファンドが充実しているため、個別株に詳しくなくてもS&P500やNASDAQ100などの指数を通じて、分散投資が容易に行えるのも魅力です。
リスクも理解すべきアメリカ株投資
ただし、米国株にもリスクはあります。インフレ・利上げ・債務上限問題・地政学リスクなどが株価に大きく影響するため、タイミング次第では大きな下落もあり得ます。
また、為替リスクにより円高が進むと、ドル建てで利益が出ていても、円換算で損になることもあります。
そのため、「米国株一択」ではなく、「米国株を軸にしつつ他の資産でバランスを取る」戦略が重要です。
複数地域への分散投資が長期的には安定
資産運用の基本は分散投資。米国株の割合を高めに設定するのは理にかなっていますが、日本株・ヨーロッパ株・新興国株・債券などを含めたポートフォリオで組むことで、一つの地域の下落リスクを他で補う仕組みを持つことができます。
特に日本株は、為替ヘッジとして保有しておくと、円高時にポートフォリオを安定させる効果もあります。
まとめ:アメリカ株は「消去法」ではなく「選ばれる理由」がある
ヨーロッパ株や日本株が魅力に欠けると感じる場面は確かにあります。しかし、アメリカ株はそれらが劣っているからではなく、構造的に強く、成長性と情報アクセスのしやすさから積極的に選ばれている資産です。
「消去法」ではなく、「戦略的選択」として米国株を活用しつつ、自分のリスク許容度や資産状況に応じて分散投資を意識することで、長期的に安定した資産形成を目指すことができるでしょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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