なぜ投資信託で元本保証が禁止されているのか?仕組みと法的背景をわかりやすく解説

資産運用、投資信託、NISA

「投資信託に元本保証があれば安心なのに」と感じたことがある方は多いでしょう。特に初心者にとっては、元本保証という言葉は大きな安心材料です。しかし、日本では金融商品取引法により、投資信託において元本保証を謳うことは法律で禁止されています。本記事ではその背景や理由、代替手段までわかりやすく解説します。

投資信託の基本的な仕組み

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家であるファンドマネージャーが株式や債券などに投資を行う金融商品です。その運用成果は、投資家が保有する口数に応じて分配されます。

投資信託は、運用対象の値動きによって基準価額が日々変動するため、元本割れのリスクがあるという特徴があります。

なぜ元本保証が禁止されているのか

投資信託に元本保証が禁止されている主な理由は、「誤認リスク」と「公平性の欠如」にあります。金融商品取引法では、投資信託は「リスクがある商品」であると明確に位置付けられています。

  • 誤認を防ぐ:元本保証をうたうことで、投資家が「リスクがない」と誤解し、適切な判断を下せなくなる恐れがあります。
  • 販売会社と運用会社の責任回避:元本保証を設定すると、運用成績が悪くても責任を負わないような構造になり、投資家保護の観点から問題視されます。

これらを防ぐため、日本の法律では元本保証のある投資信託を「預金類似商品」と見なし、原則禁止しています。

どうして国債には元本保証があるのか

一方で、国債には元本保証があります。これは、国が発行する「借金証書」であり、満期になれば元本と利息が確実に支払われるという信頼に基づいています。

投資信託は国債とは異なり、様々なリスク資産(株式・外国債券など)を含む運用を行うため、同様の保証は成り立ちません。また、国債は「債務」、投資信託は「投資対象」であるという本質的な違いもあります。

元本保証のある投資商品はある?

投資信託に元本保証はありませんが、類似の安心感を得られる商品は存在します。

  • 個人向け国債(変動10年・固定5年など):元本保証があり、途中換金時も一定のルールで対応。
  • 定期預金型の外貨預金:為替リスクはあるものの、預金としての元本は保証。
  • 保険型投資商品:一部元本保証のある終身保険や養老保険なども検討できます。

ただし、どれも「リターンが限定的」である点には注意が必要です。

初心者に向けた投資信託の選び方

元本保証がないことを前提に、初心者が投資信託を選ぶ際は以下の点に着目すると良いでしょう。

  • リスク分散型のバランスファンド:複数の資産に分散投資するため、リスクを軽減できます。
  • インデックスファンド:コストが安く、長期投資に適した商品です。
  • つみたてNISAの活用:非課税枠があるため、少額からコツコツ始めたい人におすすめです。

元本保証の安心感よりも、リスクとリターンのバランスを理解し、自分に合った商品選びが重要です。

まとめ

投資信託において元本保証が法律で禁止されているのは、投資家保護と商品の本質を明確にするためです。リスクを伴うことを前提に、正しい情報と理解を持って投資に取り組むことが求められます。

元本保証を希望するなら、国債や預金型商品など代替手段の検討を。また、投資信託を選ぶ際は分散型・低コスト商品を活用し、長期的な視点での運用が成功のカギとなります。

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