株式市場が最高値を更新したとき、「積立額を減らすべきか」と悩む方は少なくありません。とくに、オルカンやS&P500、NASDAQ系のファンド(例:ファング+)に毎月10万円程度積み立てている方にとって、市場の高騰時の判断は難しいものです。この記事では、積立NISAやつみたて投資において、市場の最高値と積立額の関係について、理論と実例を交えて解説します。
積立投資の基本は「時間分散」と「継続」
積立NISAや毎日積立の最大の利点は「ドルコスト平均法」による価格分散です。価格が高いときには少なく、安いときには多く買える仕組みであり、市場の短期的な動きに左右されにくいのが特徴です。
このため、最高値を理由に積立額を減らす行為は、時間分散の効果を自ら弱めてしまうリスクもあります。
市場最高値で積立額を調整するメリットとデメリット
一方で、柔軟な積立戦略として、市場が高騰しているときには積立額を抑え、調整局面で増やす「バリュエーション・アジャスト型」も一つの考え方です。
- メリット:高値づかみを回避できる可能性
- デメリット:タイミングの見極めが難しく、機会損失のリスクがある
実際、過去に市場の高値で積立を止めた結果、その後の上昇局面に乗れなかったという事例も少なくありません。
具体例:2020年以降のS&P500と積立効果
たとえば、2020年のコロナショック後にS&P500が急回復した際、多くの投資家が「今は高すぎる」と感じて積立を停止しました。しかしその後、2021年末までにさらに20%以上上昇し、積立を継続していた人が大きなリターンを得たという実例があります。
このように、「高い」と感じたタイミングが、長期で見ると「まだ安かった」ことも多々あります。
積立額を調整するなら「ルール化」が鍵
どうしても積立額を調整したい場合は、感情に流されないように「明確なルール」を事前に決めておくことが大切です。たとえば。
- S&P500が過去1年の最高値を更新したら積立額を50%に減額
- 3%以上の調整が来たら元に戻す
このように数値基準を設ければ、タイミングを間違えるリスクをある程度減らせます。
長期視点では「継続」がもっとも強い
過去のあらゆるデータは、長期積立投資で最も有効なのは「額を変えずに継続すること」であると示しています。とくにオルカンやS&P500のような広く分散されたインデックスは、短期の価格変動を気にせず、積み立てることに意味があります。
また、ファング+のような成長株指数はボラティリティが高く、価格調整も頻繁ですが、それを機に積立を止めたり減らしたりするのは逆効果になりかねません。
まとめ:積立額の変更は戦略に応じて柔軟に
市場の最高値更新時に積立額を減らすかどうかは、一概に「良い・悪い」で判断できません。重要なのは、自分の投資目的・期間・リスク許容度をふまえて、積立方針を明確にしておくことです。
毎月10万円を投じるような堅実な積立スタイルを保つなら、無理に減額せず、淡々と継続することが長期的には成功に近づく王道といえるでしょう。

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