「PERが2〜4倍だから割安だ」と考えて株を買ったものの、思ったように株価が上がらない——これは投資初心者にありがちな誤解です。PERは企業の価値を判断するうえで重要な指標の一つですが、それだけを根拠に投資判断をすると痛い目を見ることもあります。この記事では、PERの正しい理解と、株価が上がるかどうかを見極めるための複数の視点を紹介します。
PERとは何か?低ければ「買い」なのか
PER(株価収益率)は、「株価 ÷ 1株あたりの利益(EPS)」で計算され、株価が企業の利益に対してどれだけ割高・割安かを示す指標です。たとえばPERが2倍であれば、投資した資金を利益で回収するのに約2年かかる計算になります。
確かにPERが低いと割安に見えるかもしれませんが、PERが低い=将来も安定して稼げる企業とは限りません。業績が悪化していたり、赤字転落の懸念があったりすると、株価が大きく下がってPERが一時的に低くなっているだけのケースもあります。
なぜPERが2〜4倍でも株価が上がらないのか
PERが極端に低い場合、それは投資家が「この会社の業績は今後下がる」と予想している可能性があります。つまり、将来の利益に対して期待が持てないと判断されているのです。
たとえば、ある製造業の企業が直近では高収益でも、「主力製品の需要が今後縮小する」「新たな成長分野がない」「財務リスクが高い」などの懸念材料があると、株価が上がりにくい要因になります。これらはPERだけでは読み取れないため、業績の質・将来性・財務状況なども総合的に判断する必要があります。
上がる株を見極めるには?見るべきポイント
- 業績の推移:過去3〜5年の売上や利益の安定性や成長性を見る。
- 自己資本比率や負債比率:財務体質の健全性をチェック。
- 事業内容と将来性:その企業の強みが、今後も通用するかを考える。
- 競合他社との比較:同業他社と比べて、なぜPERが低いのかの理由を探る。
- チャート分析:テクニカル分析で買いタイミングを補助的に判断。
PERはあくまで「一つの目安」であり、必ず複数の視点を組み合わせるのが鉄則です。
実例で理解するPERの落とし穴
例1:PER3倍のA社
一見割安だが、直近の決算で主力製品の販売が急減。来期は赤字予想。株価はさらに下落し、PERはさらに下がるが、業績悪化で評価されない。
例2:PER20倍のB社
一見割高に見えるが、AI関連で急成長中。毎年20%以上の利益成長が見込まれており、長期的には株価が2倍以上に伸びた。
初心者が避けるべき典型的な失敗とは
- 指標だけで判断する:PERやPBRだけを見て判断しない。
- うわさに流される:SNSや掲示板の情報を鵜呑みにしない。
- 短期で結果を求める:投資は中長期視点での判断が基本。
初心者は、まず少額で分散投資を心がけ、学びながら経験を積むことが大切です。
まとめ
PERが2〜4倍という数字だけで「割安だから買い」と考えるのは危険です。低PERの裏にあるリスクや将来性を見極めることが、投資判断には欠かせません。上がる株を見つけるには、業績、財務、成長性などを総合的にチェックする習慣をつけましょう。指標に振り回されず、冷静な分析を積み重ねていくことが、投資成功への第一歩です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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