移動平均線(20MA)を活用した押し目買いは、多くのトレーダーにとってシンプルかつ有効なエントリーポイントとなります。しかし、損切りをどこに設定するかでその有効性は大きく変わってきます。特に、ダウ理論に基づいた押し安値を損切りラインとした場合、リスク幅が広がることも少なくありません。今回はそのトレードオフをどう判断すべきかを解説します。
20MA押し目買いとは?基本戦略の理解
20日移動平均線(20MA)は短中期のトレンドを示す代表的な指標です。押し目買いでは、価格が20MA付近まで調整したタイミングでエントリーすることで、トレンド方向に再度乗ることを狙います。
例として、上昇トレンド中にローソク足が20MAまで戻り、陽線が出現したときに買いを入れる、というようなシンプルなルールが挙げられます。
ダウ理論と損切りラインの関係
ダウ理論においては、高値と安値の切り上げ・切り下げによってトレンドを定義します。そのため、損切りを設定する場合は「直近の押し安値(または戻り高値)」の少し下(または上)に置くのが理想とされます。
ただし、この押し安値が20MAから遠いと、エントリーから損切りまでの距離が広くなり、リスクリワード比が悪化しやすくなります。
なぜ「20MA割れ=損切り」は機能しづらいのか?
「20MAを割ったら損切り」という単純なロジックでは、多くのダマシに引っかかる可能性があります。移動平均線は動的なサポート・レジスタンスであり、一時的な割り込みはよく起こるからです。
特に、出来高が伴っていないブレイクは信用性が低く、逆にそのタイミングが押し目となって再上昇するケースもよく見られます。
押し安値が近い時だけ狙うべきか?という疑問
理想を言えば、20MA付近に押し安値があるパターンだけを選ぶことで、リスク幅を小さくしながらトレードできます。しかし、すべてのケースがこの条件に当てはまるわけではありません。
そのためには、エントリー前にチャート構造を精査し、押し安値の位置・ボラティリティ・トレンド強度を総合的に判断する目が求められます。ATR(平均的な値動き幅)や出来高を確認するのも有効な補助判断です。
損切り幅を絞る具体的なテクニック
- 複数時間足の整合性を確認:日足では20MA付近、1時間足では押し安値が近い、など。
- 価格アクションを見る:20MA付近でピンバーや包み足が出れば信頼度アップ。
- エントリーを分割:最初に軽めに入り、押し安値に引きつけてナンピン。
こうした方法を組み合わせることで、必要以上に広い損切りラインを取らずとも、押し目買いの精度を高められます。
まとめ:押し安値と20MAのバランスがカギ
20MAを活用した押し目買いは、トレンドフォロー戦略の中でも王道の一つです。しかし、損切りの位置を「押し安値の少し外」とする場合、その距離が広くなりすぎるとトータルでのパフォーマンスに影響を及ぼします。
押し安値が近い時を狙うのは賢明な選択肢の一つですが、すべてのトレードをその条件に限定するのではなく、チャートの背景や状況に応じて柔軟に判断することが重要です。テクニカルだけでなく、資金管理も含めた全体のバランスを考えたトレード設計を心がけましょう。

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