投資信託の年率リターンの計算方法とは?新NISAでの積立と評価損益の見方をやさしく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を長期で積み立てる場合、「年率リターン」の考え方は重要です。特に新NISAで毎年の積立をしていく際、資産残高や評価損益率の見方に迷う方も多いのではないでしょうか。この記事では、年率リターンの計算の基本から、評価損益との違い、よくある誤解などを初心者にもわかりやすく解説します。

年率リターンとは?複利効果を考慮した利回り

年率リターンとは、毎年同じ割合で増えたと仮定したときの利回りです。1年目に100万円を投資し、1年後に110万円になれば年率10%です。2年目にさらに100万円追加し、2年目の終わりに220万円なら、合計での評価損益率は少し異なります。

重要なのは、「いつ投資したか」によってそのお金が運用された期間が異なるということです。

評価損益率と年率リターンの違い

評価損益率は単純に現在の評価額と元本との差を%で表したもので、運用期間は考慮されません。たとえば2年目の終わりに220万円になっていたとしても、2年目の100万円はまだ1年しか運用されていないため、年率換算すると平均のリターンは変わってきます。

以下はシンプルな例です。

  • 1年目:100万円 → 110万円(+10%)
  • 2年目:100万円追加 → 合計220万円

この場合、2年間での平均年率リターンは約7.4%になります。なぜなら、1年目の投資は2年運用され、2年目の投資は1年運用されたことになるため、単純平均より低く見えるのです。

XIRR(内部収益率)で正確な年率を求める方法

より正確な年率を求めるには、ExcelやGoogleスプレッドシートで使える「=XIRR()」関数を使います。これは、異なる時点で投資した金額を複利換算で年率に直してくれる便利なツールです。

例。

日付 金額
2024/01/01 -1000000
2025/01/01 -1000000
2026/01/01 2200000

この3つのデータをもとに=XIRR(金額の範囲, 日付の範囲)で計算すると、年率約7.4%と出ます。これが本当の意味での「年率リターン」です。

「想定年率10%」と実際のギャップはなぜ起きる?

「年率10%で増える」とは、「毎年積み上がった金額全体が前年の110%になる」という意味です。ですが、積立投資では元本が追加されるタイミングがずれるため、トータルの増加率が期待値よりも低く感じられることがあります。

また、実際の相場は毎年10%ずつ安定して増えるわけではなく、上下の波を伴うため、「一時的に評価益が減る」「損失が出る」といった年もあるのが現実です。

初心者が理解しておきたい心構え

年率10%という数値はあくまで「長期的な平均リターンの目安」です。実際には年によってリターンはばらつきます。

以下のような考え方を持っておくと、投資継続に役立ちます。

  • 短期の増減は気にしすぎない
  • 複利の力は10年以上で効いてくる
  • 平均年率は「ならして」考える

目先の評価損益ではなく、長期的にどれだけ資産が育っていくかに注目しましょう。

まとめ

積立投資の年率リターンは、評価損益率だけでは正確に判断できません。複数年にわたる投資をした場合、投資のタイミングや運用期間を考慮したXIRRのような計算方法が役立ちます。初心者の方でも、こうした仕組みを理解すれば、目先の数字に惑わされずに、着実に資産形成を続けられるでしょう。

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