ETF1655とeMAXIS Slim S&P500、長期積立で利回りが良いのはどっち?徹底比較

資産運用、投資信託、NISA

S&P500に連動する金融商品として人気の高い「ETF 1655(iシェアーズ・S&P500)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、いずれも長期投資家にとって有力な選択肢です。本記事では、両者を毎月同じ金額で積み立てた場合に、どちらがより高い利回りを期待できるのかを比較します。

ETFと投資信託の基本的な違い

まず、ETF(上場投資信託)と投資信託の違いを確認しましょう。ETFは証券取引所で株式のようにリアルタイムで売買できる一方、投資信託は1日1回の基準価額で取引されます。

ETFは手数料が安く、透明性が高い反面、証券口座での取り扱いや売買のタイミングなどに知識が必要です。投資信託は、積立設定が簡単で、初心者にとって始めやすい商品です。

信託報酬の違いとパフォーマンスへの影響

利回りを比較する上で重要なのが、運用管理費用である「信託報酬」です。

  • ETF 1655:年率0.0938%(税込)
  • eMAXIS Slim S&P500:年率0.09372%(税込)

ご覧の通り、信託報酬はほぼ同水準であり、費用面での差はわずかです。ただし、ETFは別途売買手数料が発生することがあり、実質コストはやや高くなる可能性があります。

積立投資との相性:ETFは手動、投資信託は自動が可能

積立スタイルにも影響があります。投資信託は、楽天証券やSBI証券などで「クレジットカード積立」「ポイント積立」などが可能で、自動化との相性が抜群です。

一方、ETFは自動積立ができないため、定期的な手動発注が必要となります。長期的に運用する場合、継続性の観点ではeMAXIS Slimが有利と言えるでしょう。

配当金の再投資の有無が利回りに与える影響

ETFは基本的に配当金が現金で支払われるため、再投資を行うには自分で買い増しをする必要があります。一方、eMAXIS Slimは「配当金再投資型」で、自動的に基準価額に反映されるため、複利効果を活かしやすいです。

このため、放置型の積立では投資信託の方がリターンの最大化を狙いやすくなります。

実際に10年間積立した場合のシミュレーション

仮に毎月1万円を10年間積み立てたとすると、信託報酬や配当再投資の効果を含めた年率リターンは次のように想定されます。

  • ETF 1655:年率6.8%前後(再投資が手動であれば効率がやや落ちる)
  • eMAXIS Slim:年率7.0%前後(再投資込み、コスト差なし)

数値上の差はわずかですが、積立環境や再投資のしやすさを考慮すると、eMAXIS Slimが若干有利という結論になります。

まとめ:eMAXIS Slim S&P500がやや優勢だが、ETFにも魅力あり

ETF 1655とeMAXIS Slim S&P500はどちらも優れた商品ですが、利回りや積立の効率性という観点ではeMAXIS Slimが一歩リードします。

ただし、株式感覚で売買したい人や、NISA成長投資枠を活用したい人にとってはETFも選択肢となります。ご自身の投資スタイルに合った商品を選びましょう。

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