「9円で買って10円で売る」という低位株での短期売買は、一見すると単純で利益を積み重ねられるように思えます。しかし、実際には板の薄さや約定リスク、手数料、心理的なプレッシャーなど多くの落とし穴があります。この記事では、このような低位株スイング戦略の仕組み、成功例・失敗例、そして現実的な注意点を詳しく解説します。
1. 低位株トレードとは?
低位株とは、株価が100円以下の銘柄を指すことが多く、少額で大量に購入できるため「動きが軽い」特徴があります。特に1円単位で値動きするため、9円→10円の変化は+11.1%の利益というインパクトのあるリターンになります。
一方で、低位株は投資家の注目度が低く、出来高が少ないことが多いため、思った価格で売買が成立しないことも珍しくありません。
2. 「9円で買って10円で売る」戦略の仕組み
この戦略は、シンプルに見えて実はタイミング勝負です。1円の値動きで利益を出すため、「流動性(出来高)」と「板の厚み」が非常に重要になります。たとえば、買い板が薄いときに9円で買っても、10円で売り抜ける前に価格が下がることがあります。
また、証券会社の手数料体系によっては、1回の売買で数十円~数百円のコストが発生するため、手数料負けしてしまうケースもあります。
3. 成功例:タイミングと回転力が鍵
成功している投資家の多くは、低位株であっても出来高が伴うタイミングを狙って取引しています。例えば、IR(企業発表)やテーマ株として注目された直後は短期的な値上がりが発生しやすく、9円→10円どころか12円~15円まで上昇するケースもあります。
また、信用取引ではなく現物取引を用いて、手堅く小さな利益をコツコツ積み上げることで、長期的にはプラス収支にしている人もいます。
4. 失敗例:思ったより売れない・下がり続ける
最も多い失敗例は「売れないこと」です。たとえば、9円で購入しても、10円に売り板が少なく、途中で8円・7円まで下落するパターンです。1円の差で勝負しているため、1ティック下がるだけで損失率が大きくなります。
さらに、低位株は倒産リスクや上場廃止リスクを抱えている企業も多く、長く保有すると塩漬けになってしまう危険もあります。
5. 手数料・税金・心理的な負担も無視できない
近年は手数料無料化が進んでいるとはいえ、証券会社によっては約定ごとにコストが発生します。また、売買益には20.315%の譲渡所得税が課税されます。
加えて、短期売買を繰り返すと、値動きに一喜一憂してしまい、冷静な判断が難しくなります。実際、「あと1円上がると思って売れなかった」ことで損をするケースが非常に多いです。
6. リスクを抑える現実的な運用方法
もしこの戦略を実践したい場合は、次の点を意識すると良いでしょう。
- 1銘柄に資金を集中させず、分散する
- 売買前に「板の厚さ」「出来高」「直近のニュース」を確認する
- 自動売買注文(指値・逆指値)を活用して感情を排除する
- 明確なルールを設け、欲を出さない
このように、リスク管理を徹底することで、短期売買でも安定した成績を目指せます。
7. まとめ:単純なルールほど、奥が深い
「9円で買って10円で売る」という単純なトレード戦略は、理論上は利益を積み重ねられるように見えますが、現実にはタイミング・流動性・心理面・コストなど多くの要素が絡み合います。特に低位株はリスクも高く、思惑通りに動かないことも多いです。
成功しているトレーダーは、経験を重ねながらリスクを最小化し、冷静に行動できるよう訓練しています。最初は少額から始め、実際に自分のリズムを掴むことが大切です。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
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