テクニカル分析で登場する「平均足」は、トレンドを視覚的に捉えやすくする便利なチャート手法として知られています。しかし一方で、「サインが遅い」「だましが多い」「実践では役に立たない」といった否定的な意見も根強く、特に裁量トレーダーからは評価が分かれる指標でもあります。本記事では、平均足の特徴や限界、そして実戦での使い方の工夫について詳しく解説します。
平均足とは?通常のローソク足との違い
平均足は、従来のローソク足と違い、過去の価格情報をもとに平均化して描画されるチャート形式です。これにより、ノイズが軽減され、トレンドの方向性が視覚的にわかりやすくなります。
たとえば、通常のローソク足ではヒゲが乱立しやすい相場でも、平均足を使うと赤(陰線)や青(陽線)が連続して表示されやすく、「トレンドが続いている」か「反転した」かが見極めやすくなります。
平均足のメリット:ノイズ除去と視認性
平均足の一番の強みは、短期的な価格のブレ(ノイズ)を抑えられる点にあります。これにより、レンジや揉み合いの中でもトレンド方向が掴みやすく、初心者でも方向感を得やすいという利点があります。
また、平均足が連続して陽線・陰線で表示されている間はポジションをキープ、反転の兆候が出たら利確・ドテンというルールもシンプルで、機械的な取引にも向いています。
平均足のデメリット:シグナル遅延とだまし
一方で、平均足は価格の平均をベースにしているため、シグナルが遅れやすいという欠点があります。特に相場が急変したときに出遅れるリスクがあり、天井や底をピンポイントで狙う手法とは相性が悪いです。
また、トレンドの初動に乗りにくく、「戻り売り」「押し目買い」のタイミング判断にはやや不向き。価格が横ばいに推移する「ちゃぶつき」相場では、だましの連続で損切りばかりになってしまうケースもあります。
MT4のHeiken Ashi Smooth(スムース平均足)との違い
MT4に標準搭載されている「平均足スムース(Heiken Ashi Smooth)」は、さらに滑らかにトレンドを描く工夫がされたバージョンです。これによりさらにノイズが減少し、長期保有やポジショントレード向けに設計されています。
ただし、これも同様にシグナルが遅くなる傾向が強まり、短期売買やスキャルピングには適しません。
平均足の効果的な使い方:他指標との併用が鍵
平均足を単独で使うのではなく、移動平均線やMACD、RSIなどの他のテクニカル指標と組み合わせることで、だましを減らし、トレードの精度を上げることができます。
たとえば、移動平均線がゴールデンクロスしたタイミングで平均足も陽線連続していれば、買いの根拠が強まります。あるいは、RSIが過熱ゾーンに達したときに平均足が陰線に転じたら利確のサインとするなど、補完的に使うのが効果的です。
平均足は「いらない」?それとも「使い方次第」?
平均足が「使えない」と感じる人の多くは、短期売買やスキャルピングなど即応性が求められる場面で使っている傾向があります。逆に、中長期のトレンドフォロー型トレードに活用すれば、「視覚的に方向感がつかみやすい」「無駄なエントリーを減らせる」といった利点があります。
つまり、使えるか使えないかは、その人のトレードスタイル次第。万能な指標ではありませんが、補助的に使う分には十分に機能します。
まとめ:平均足は武器になるか?
平均足は、確かに単独で万能なインジケーターとは言えません。しかし、その特性を理解し、適切なタイミングと他のツールと組み合わせて使えば、相場のノイズを取り除き、冷静にトレードするための有力な武器になります。「いらねー!」と切り捨てる前に、ぜひ一度、時間軸や手法を見直して取り入れてみる価値はあります。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント