NISA(少額投資非課税制度)を活用して投資をする際に、「株価が下がり続けている時は一旦売却すべきか、それとも長期保有すべきか?」という疑問を持つ投資家は多いでしょう。本記事では、NISAを活用した投資戦略として、短期売買と長期投資のメリット・デメリットを比較し、それぞれの考え方について解説します。
短期的な視点:下落時に売却して上昇トレンドを待つ
短期売買派の意見として、「株価が下がり続けるなら一旦売却し、下落が終わって上昇トレンドになったら買い直す」という戦略があります。
この考え方の根拠は、「トレンドに沿って売買を行うことで、損失を最小限に抑えつつ利益を最大化する」というものです。
例えば、100万円分の株を購入したとして、その株価が10%下落した場合、90万円に目減りします。さらに下落が続けば、80万円、70万円と価値が減る可能性もあります。一方で、一旦売却して、下落が終わった後に買い戻せば、さらなる損失を回避できるという考え方です。
この戦略には、以下のようなメリットがあります。
- 下落相場での損失を回避できる
- 上昇トレンドに入ってから投資することで、効率的に利益を狙える
- 資金を一時的に確保し、より有利な投資機会を待つことができる
しかし、デメリットもあります。
- 市場の動きを正確に予測することは非常に難しい
- 売却後に株価が急上昇すると、買い戻しのタイミングを逃す可能性がある
- NISA口座では、売却するとその非課税枠を再利用できない(つみたてNISAの場合)
長期投資の視点:「死んだふり」戦略
一方で、「株価の短期的な変動に惑わされず、20〜50年単位で投資を続ける」という考え方もあります。この戦略は、いわゆる「死んだふり」投資とも呼ばれ、NISA制度の趣旨にも合致しています。
長期投資派の主張は、「短期的な株価の上下に一喜一憂せず、優良な企業の株を持ち続けることで、時間を味方につける」というものです。
この戦略には、以下のようなメリットがあります。
- 短期的な市場の変動を気にせずに済む
- 長期的な経済成長によるリターンを期待できる
- 頻繁な売買を避けることで、NISAの非課税メリットを最大限活用できる
例えば、日経平均株価は1990年代には2万円を下回ることもありましたが、2020年代には3万円を超える水準になりました。仮に30年前に日経平均株価に連動するETFを購入し、ずっと保有していた場合、大きなリターンを得ることができたでしょう。
しかし、長期投資にもリスクがあります。
- 市場が長期的に停滞する可能性がある
- 急な資金需要が発生した際に、損失を抱えたまま売却しなければならない場合がある
- 企業の業績悪化により、投資先の株価が回復しないケースもある
結局どちらの戦略が良いのか?
短期売買と長期投資、どちらが正解なのかは投資家の目的やリスク許容度によります。以下のような基準で、自分に合った戦略を選ぶことが重要です。
短期売買が向いている人
- 市場の動きを分析し、売買のタイミングを見極める自信がある
- 短期的な資金需要があり、流動性を確保したい
- 損切りルールを明確にし、冷静に判断できる
長期投資が向いている人
- 資産を長期的に運用し、時間を味方につけたい
- 短期的な価格変動に動揺せず、精神的に安定した投資ができる
- 分散投資やインデックス投資を活用し、リスクを抑えたい
まとめ
「NISAで株価の下落時に売却すべきか?」という問いに対する答えは、一概には言えません。短期的に売却してトレンドを確認する戦略と、長期的に持ち続ける戦略の両方にはメリットとデメリットがあります。
NISAは長期的な資産形成を目的とした制度であるため、基本的には「長期投資向き」と言えますが、市場環境や自身の投資スタイルによって柔軟に戦略を選ぶことが大切です。最終的には、自分のリスク許容度と投資目標に合った方法を選択し、賢い投資判断を行いましょう。

こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント