証券外務員一種の試験や実務でよく登場するオプション取引の損益計算。特に、TOPIXコール・オプションやプット・オプションを取引する際の計算方法について疑問を持つ方が多いようです。この記事では、TOPIXコール・オプションとプット・オプションの損益を正確に計算する方法を、実際の例を交えてわかりやすく解説します。
オプション取引の基本的な仕組み
オプション取引とは、ある価格で特定の商品(この場合は株価指数)を売買できる権利を取引するものです。コール・オプションは「買う権利」、プット・オプションは「売る権利」を持っています。
例えば、TOPIXコール・オプションを購入することで、TOPIX指数が上昇した場合に利益を得ることができます。逆に、プット・オプションを購入すれば、TOPIX指数が下がった場合に利益を得ることができます。
質問の内容:オプション取引の損益計算
質問の内容は、特定のSQ(特別清算数値)に基づいたオプション取引の損益計算に関するものです。以下の取引が行われた場合の損益を計算してみましょう。
取引内容 | プレミアム(ポイント) | SQ(特別清算数値) | 権利行使価格 | 損益 |
---|---|---|---|---|
TOPIXコール・オプション | 40ポイント | 2,725ポイント | 2,700ポイント | ▲150万円 |
TOPIXプット・オプション | 50ポイント | 2,725ポイント | 2,700ポイント | ▲500万円 |
この表に基づくと、コール・オプションの損益は「▲150万円」と計算されています。次に、この計算の詳細について確認しましょう。
コール・オプションの損益計算:なぜ▲150万円になるのか
コール・オプションの損益計算は、まず権利行使価格(2,700ポイント)とSQ(2,725ポイント)の差を求めます。この差は25ポイントです。
次に、オプションのプレミアム(40ポイント)を考慮します。コールオプションを購入した際には、プレミアム40ポイントを支払いますが、SQが権利行使価格を超えているため、このオプションを行使することができます。
損益の計算式は以下の通りです。
(SQ - 権利行使価格) - プレミアム = 損益
(2,725ポイント – 2,700ポイント) – 40ポイント = ▲150万円
このため、コール・オプションの損益は▲150万円となります。
プット・オプションの損益計算:なぜ損失が▲500万円なのか
次に、プット・オプションの損益計算です。プットオプションは、SQが権利行使価格よりも高い場合(この場合は2,725ポイント)が、権利を行使することはありません。そのため、プット・オプションは放棄され、支払ったプレミアムがそのまま損失となります。
プット・オプションの場合、損益は単純にプレミアムの支払い額がそのまま損失となります。損益の計算式は以下の通りです。
プレミアム = 損益
50ポイント × 1万 × 10単位 = ▲500万円
このため、プット・オプションの損益は▲500万円となります。
オプション取引全体の損益計算
コール・オプションとプット・オプションの損益を合計すると、以下の通りになります。
コール・オプションの損益 + プット・オプションの損益 = 全体の損益
▲150万円 + ▲500万円 = ▲650万円
したがって、この取引全体の損益は▲650万円となります。
オプション取引の損益計算を正確に行うためのポイント
オプション取引の損益計算でよくある誤解は、権利行使価格とSQの差を計算する際に、プレミアムを適切に考慮しないことです。また、コールとプットで計算方法が異なる点にも注意が必要です。
例えば、コール・オプションではSQが権利行使価格を超えていれば行使できますが、プット・オプションは逆にSQが権利行使価格を下回らないと損益が発生しません。
まとめ:オプション取引の損益計算をマスターしよう
オプション取引の損益計算は、取引の基本的な仕組みを理解し、適切な計算式を使うことが重要です。コール・オプションとプット・オプションの損益計算方法の違いを理解することで、より正確な計算ができるようになります。
今回の例では、SQ値と権利行使価格の差をしっかりと計算し、プレミアムを適切に考慮することで、損益が正しく求められることが分かりました。オプション取引の基本をしっかり押さえて、実際の取引に役立てましょう。
こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。
コメント