玄人投資家が最も警戒するのは“ちゃぶつき相場”?相場のヨコヨコに潜む落とし穴とは

株式

投資における最大のリスクと聞くと、一般的には暴落や急騰といった激しい値動きを思い浮かべるかもしれません。しかし、実は経験豊富な玄人投資家ほど警戒するのは「ちゃぶつき相場」—つまり方向感のないレンジ相場やヨコヨコ相場だったりします。本記事では、なぜプロほど“ちゃぶつき”を嫌うのか、その理由と対処法を具体的に解説します。

そもそも「ちゃぶつき相場」とは何か?

ちゃぶつき相場とは、上にも下にも抜けず、一定のレンジ内で細かく上下を繰り返すような値動きのことです。「ヨコヨコ」とも呼ばれ、ボラティリティ(値幅)はあるものの明確なトレンドが出ないため、方向性を見極めるのが非常に難しくなります。

特に短期トレードやスイングトレードにおいては、このような相場が続くとエントリーと損切りを繰り返すことになり、手数料負け・スリッページ・精神的疲労を招く要因になります。

なぜ玄人投資家がちゃぶつき相場で損をするのか

経験豊富な投資家ほど損切りルールを厳格に設定しており、エントリー後に値が動かないとすぐに撤退する傾向があります。このため、ちゃぶついた動きが続くと、小さな損切りを何度も繰り返す“コツコツ負け”状態に陥ることがあります。

実例:ある中堅トレーダーが日経平均先物のボックス相場でエントリーを繰り返し、1日で損切り8回、勝ちトレード2回。合計するとマイナス収支に。損失の大半は手数料とわずかなスリップによるものでした。

また、「この先ブレイクするだろう」と思ってエントリーするものの、結局ブレイクせずに再度戻ってくる展開が多いため、期待と裏切りの連続がメンタルに影響を与えやすいのも事実です。

むしろ初心者の方が“ちゃぶつき”に強い?

意外に思われるかもしれませんが、初心者投資家の中には「放置してホールド」という姿勢でちゃぶつき相場を乗り切る人もいます。これは逆に損切りをしないことによる副産物でもあり、トレンドが出たときにたまたま利益になることも。

ただし、これはあくまで偶然の産物であり、戦略的なものではありません。トレーダーとして安定して利益を上げるには、レンジ相場でも通用する明確なルールと判断軸が必要です。

ちゃぶつき相場で消耗しないための対処法

玄人トレーダーがちゃぶつき相場で失敗しないためには、以下のような対応が有効です。

  • 1. 相場に手を出さない勇気を持つ:明確なトレンドが出るまで休むのも戦略の一つです。
  • 2. ボラティリティフィルターを使う:ATRや移動平均乖離率などを活用して方向性を見極めましょう。
  • 3. スキャルピングに切り替える:細かな値幅でも利益を積み重ねる超短期戦略が向く局面もあります。
  • 4. レンジブレイク狙いに特化する:あえて「ちゃぶつき終わり」を狙うタイミング戦略も効果的です。

加えて、複数の市場や商品(為替・コモディティ・海外株など)を監視対象にすることで、チャンスが偏るリスクを減らすことができます。

まとめ:トレンドのない相場こそ“罠”が多い

投資の世界では、暴落でも急騰でもトレンドが出ていれば対応はしやすくなります。最も手強いのは方向感のない「ちゃぶついた相場」であり、ここで消耗して退場する玄人も少なくありません

相場で長く生き残るためには、「戦わないことを選べる判断力」もまた、投資スキルの一つです。自分の戦略が通用しない環境では、あえてポジションを取らず、次の波を待つ冷静さを持ちましょう。

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