積立NISAと一括投資の組み合わせ運用は正しい?評価益が伸び悩む理由と今後の対応策をやさしく解説

資産運用、投資信託、NISA

投資信託を活用した資産形成は長期的な視点で取り組むことが重要ですが、運用開始から数年で期待したリターンに届かないと不安になる方も少なくありません。この記事では、積立NISAや一括投資による資産形成で利益が思うように出ていない理由と、長期的に成果を出すためのポイントをわかりやすく解説します。

現在の運用成績が物足りなく見える理由とは?

質問者様の投資状況では、2022年11月からの積立投資と、2024年以降のまとまった一括投資が組み合わさっています。評価額が594万円、含み益が約52万円ということは、おおよそ+9%程度のリターンと見られます。

一見すると物足りないと感じるかもしれませんが、2022年末から2023年にかけては米国株市場が下落と回復を繰り返すボラティリティの高い局面であったため、タイミングによっては「高値掴み」の印象を持つのは自然です。

積立NISAと一括投資ではリターンの性質が異なる

積立投資(ドルコスト平均法)は、価格の上下にかかわらず一定額を投資し続けるため、平均購入単価を平準化する効果があります。一方で、短期間での急騰時には利益が抑えられることもあります。

それに対して、一括投資はタイミングが重要で、市場が高値圏であれば含み益が出づらい傾向にあります。質問者様の場合、2024年から2025年初にかけて合計440万円を一括投資しており、その投資額が全体に占める割合が大きいため、評価益全体を押し下げている可能性が高いといえます。

S&P500の長期リターンと短期変動の違い

S&P500の過去30年間の平均年率リターンはおおよそ+10%程度とされていますが、これは「年率平均」であり、毎年安定して10%増えるわけではありません。1年で+25%以上になることもあれば、-10%を超えるマイナスの年もあります。

つまり、投資開始から数年程度で年率10%を実感できないのは珍しくなく、むしろ自然な経過です。運用期間が10年以上になるにつれて平均リターンに近づく傾向があります。

ネット証券と銀行窓口の違いにも注目

銀行での投資信託は、窓口の手数料や信託報酬がやや高めの傾向があるため、同じ銘柄でもネット証券の方が効率的な運用になるケースがあります。たとえば「net WINGSテクノロジー株式ファンド」はテーマ型で値動きが大きく、コストも高いため、運用の目的や方針によっては再検討の余地があります。

長期運用を前提とするなら、インデックス型の低コストファンド(例:eMAXIS Slimシリーズなど)に集約するのも一案です。

これからどうすればよい?今後の選択肢

  • 焦らず継続:投資は「時間を味方にする」ことが最重要です。数年単位の成果に一喜一憂せず、10年・20年の視点で継続を。
  • 分散の見直し:テーマ型ファンドはリスクが高いため、コア資産としての役割を担うインデックスファンドへ集中させるのも有効です。
  • ネット証券への切り替え:長期的に見れば、手数料の差がパフォーマンスに大きく影響するため、乗り換えも検討の価値ありです。

まとめ:短期の損益に惑わされず「時間」と「仕組み」で資産形成を

現在の運用状況は、ごく一般的な市場の動きの中で起こり得るものであり、騙されたり失敗しているとは言えません。大切なのは、焦らず、ブレずに、続けることです。資産形成はマラソンのようなもの。途中でスピードを上げ下げしても、ゴールにたどり着くことこそが重要です。

ご自身の運用方針を振り返りつつ、無理のない範囲で投資を継続していきましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました