「日経平均株価が900円以上下がった」「1ドルは円高ドル安、1ユーロは円高ユーロ安になる可能性か?」といった問いに対して、為替相場の背景を複数の観点から整理してみましょう。この記事では、ドル/円・ユーロ/円双方の見通しとその根拠を、日経平均の下落という株式市場の動きとも関連づけて解説します。
為替レートと株式市場の逆相関関係
一般に、株価が大きく下落した局面では、投資家がリスク回避姿勢を強め、円が買われる=円高に進む傾向があります。これは、円が“安全通貨”として機能するからです。([参照]Understanding the Japanese Yen – OANDA)
そのため、株価下落の背景に不透明感・地政学リスク・景気後退懸念がある場合、ドル/円・ユーロ/円ともに“円高方向”に動きやすいシナリオが存在します。
ドル/円(USD/JPY)の円高進行可能性と鍵となる要因
ドル/円における円高(ドル安円高)が起きやすい条件として、以下のような要因があります。
- 日米金利差縮小:米金利の低下あるいは日本金利上昇によって、ドルの魅力が低下します。([参照]Understanding USD/JPY – IronFX)
- リスクオフの円買い:株式市場の急落などによるリスク回避時に、円が買われやすくなります。
- 為替介入/政府の発言:円高が極端に進んだ場合、日本銀行/財務省による介入可能性が材料になりやすいです。
したがって「日経平均が大きく下がった」という事象は、ドル/円において「円高方向」のシナリオのトリガーになり得ます。
ユーロ/円(EUR/JPY)でも円高が起きうるが注意点あり
ユーロ/円も同様に「ユーロ安・円高」と進む可能性がありますが、ドル/円と比べて以下のような差異があります。
- ユーロ圏の景況感・金融政策が直接影響するため、欧州特有のリスク(銀行不安・地域景気後退等)が関与します。
- ユーロ/円の流動性・注目度はドル/円ほど高くなく、動きがドル/円に連動しないケースもあります。
- ユーロ安が進むと、円買いによる“二重の円高”となる可能性がありますが、必ずしもドル/円と同一タイミングで動くとは限りません。([参照]ECB ユーロ/円レート推移)
つまり、ユーロ/円も「円高方向」との見方は合理的ですが、発動条件・タイミングにドル/円より“変数”が多いのが実情です。
日経平均下落と為替への影響を複合的に考える
日経平均が900円以上下落したというような場面では、以下の構図を視野に入れましょう。
- 株価下落 → 市場のリスク回避 → 円買いモード
- 輸出関連企業の収益悪化感 → ドル売り・円高加速という流れ
- ただし、円高が進みすぎると日本の輸出競争力低下というリスクも働き、ある程度の反発要因となる可能性もあります。
このため、たとえばドル/円が140 円付近から130円台へ進む、あるいはユーロ/円が180円付近から170円台へ進む―というような「円高方向」への動きは起こり得ますが、劇的な動きには複数の条件が重なっている必要があります。
まとめ
結論として、「日経平均が大きく下がった」局面では、ドル/円・ユーロ/円ともに“円高方向”の可能性が存在すると言えます。しかし、実際に円高が進むかどうかは、金利差・リスクセンチメント・政策介入・欧州情勢など複数の要因に左右されます。また、ドル/円とユーロ/円では動くメカニズムには違いがあるため、両通貨が同時に円高になるとは限りません。
為替の動きを予想する際には「何がトリガーか」「どの条件がそろっているか」を整理する姿勢が重要です。今回のような株価下落というアラートも、そのひとつの材料として位置づけておきましょう。
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