近年、確定申告における書類添付の手続きが大きく見直され、特に株式の配当に関する「支払通知書」の添付が不要となったことに疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、その背景や制度の変更点について詳しく解説していきます。
支払通知書が不要となった主な理由
税務申告の簡素化と電子化の推進が、主な理由です。2020年(令和2年)以降、証券会社などの金融機関が税務署に対して支払調書を電子的に提出することが義務化されたことで、納税者が改めて紙の通知書を提出する必要がなくなりました。
これは、国税庁が進める「スマート申告」体制の一環で、e-Taxを中心にペーパーレス化が進んでいる流れの中での制度改正です。
変更された制度の概要
従来、株式の配当所得について「配当等の支払通知書」などの原本添付が求められていましたが、現在は以下の条件で添付が不要となっています。
- 証券会社等が税務署に対して電子的に支払調書を提出している
- 申告者が同一内容を正確に確定申告書に記載している
つまり、証券会社から提出された情報と確定申告書の内容が一致していれば、添付は省略可能というわけです。
配当所得の申告方法とその選択肢
配当所得には以下の3つの課税方式があります。
- 申告不要制度(源泉徴収ありで完結)
- 総合課税(他の所得と合算して申告)
- 申告分離課税(株の譲渡所得と合算しない独立課税)
例えば、所得税率が低い方や配当控除を活用したい場合は、総合課税を選択することがありますが、その場合も「支払通知書の添付は不要」です。
実例:証券会社の電子データ連携
多くの大手証券会社(楽天証券、SBI証券、野村證券など)は、支払調書の電子提出に対応しており、e-Taxで確定申告を行う際に自動で取り込むことが可能です。
たとえば、e-Tax連携を使えば、証券会社の取引データがそのまま反映されるため、手入力の手間もなくなります。
注意点:提出不要=保管不要ではない
支払通知書の添付は不要となりましたが、5年間の保管義務は残っています。税務調査などで確認が求められる可能性があるため、PDFや紙で保存しておくことが大切です。
また、外国株式の配当や非上場株式の場合など、一部例外があるので個別のケースでは注意が必要です。
まとめ:電子化と簡素化の時代へ
確定申告の手続きは、時代とともに大きく変化しています。株式配当の支払通知書添付不要の背景には、電子データ活用による行政手続きの効率化があります。
とはいえ、自己責任で記録を保管し、制度の変化に柔軟に対応することが求められます。毎年の改正内容を把握し、安心して確定申告を進めていきましょう。

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