株式市場では、内部情報を利用した売買=インサイダー取引は厳しく規制されています。会社に勤務している本人でなくても、家族が該当する行為をした場合、法的責任が問われることもあります。この記事では「知らずに家族が自分の会社の株を売買してしまった」というケースが、法的にどのような扱いになるのかを、具体例を交えて解説します。
インサイダー取引とは?
インサイダー取引とは、上場企業の役員や社員、関係者などが、一般に公表されていない「重要事実」を知った上で、株の売買を行うことを指します。これは金融商品取引法で明確に禁止されており、違反すれば罰則の対象となります。
「重要事実」とは、決算情報、業績予想の修正、合併・提携、行政処分の通知などが該当します。
家族が取引した場合も対象になるのか
実は、家族などの第三者が内部情報をもとに株を売買した場合でも、それが企業関係者からの「伝達」によるものだったと認定されれば、インサイダー取引に該当する可能性があります。
例えば、「夫が勤務先の情報を妻に話し、妻が株を売却した」ような場合、夫婦どちらにも処罰の可能性があるとされています。
本人が知らなくても責任を問われることはある?
家族が企業に勤務している事実を知らずに株を売買した場合は、インサイダー取引の成立には「情報入手の経緯」が重視されます。本人が会社の重要情報を漏らしていない、また家族も知らなかったという立証ができれば、処罰されない可能性が高くなります。
ただし、金融庁や証券取引等監視委員会が調査を行い、疑わしい場合は捜査が進むケースもあるため、証拠の保全が重要です。
インサイダーに該当しやすいケースと回避策
- 企業内で行政処分などの情報を知った後に、自己または家族が株を売買
- 退職前後のタイミングで売買を行った
- 口座が本人名義でなくても、実質的な判断をしていた
これを避けるためには、「自分や家族が関係する企業の株は取引しない」または「証券会社にインサイダー防止措置を依頼する」といった対応が有効です。
実例:インサイダー取引に問われた家族取引のケース
実際に、某大手企業の社員が、自分の家族名義の口座で会社の悪材料を知った直後に株を売却させたことで摘発された事件があります。本人は「家族に任せていた」と主張しましたが、情報の共有や意図的な売買が認定され、有罪となりました。
このように、形式だけでなく「実質的な判断者」が誰かが問われるのが近年の傾向です。
まとめ:万が一のために、家族の取引にも注意を
本人が直接売買をしていなくても、内部情報の存在や伝達が認定されれば、インサイダー取引に問われる可能性はあります。
特に、自分が勤務する企業の株式については、本人・家族を問わず、慎重な対応が求められます。
もし不安な点があれば、証券会社や法律専門家に相談することをおすすめします。リスクを正しく理解し、適切に対応することが、トラブルを未然に防ぐ最大の鍵です。

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