「S&P500が下がっているのに、なぜ“逆チャレンジコース”も下がっているのか?」という疑問は、多くの個人投資家がぶつかる“レバレッジ型・ベア型投資”の落とし穴ともいえるポイントです。本記事では、S&P500とPayPay資産運用「逆チャレンジコース」の仕組みの違いや注意点を丁寧に解説します。
逆チャレンジコースとは何か?
PayPay資産運用における「逆チャレンジコース」は、米国株価指数(S&P500)などの下落時に利益が出るように設計された“ベア型”の投資信託です。
具体的には、「S&P500インバース・インデックス連動型」のファンドが採用されており、S&P500が下がると理論上はそのファンドの価格は上がる構造になっています。
ではなぜS&P500が下がっても損が出るのか?
実は以下のような要因が組み合わさって、「S&P500が下がっているのに、逆チャレンジコースも下がる」という現象が起きることがあります。
- ①為替の影響(ドル円)
逆チャレンジコースのファンドは米ドル建てで運用されており、円高・円安の影響を受けます。たとえば、S&P500が下がっても円安が進行していれば、円ベースでは評価損益が下がることがあります。 - ②指数の“日々の変化率”に連動
ベア型ファンドは「指数が何%下落したか」に連動します。数日かけて指数が横ばいで微下落を繰り返すと、リバランスの影響で複利的な損失が蓄積し、ファンド価格が下がる場合があります。 - ③運用コストや乖離
信託報酬やスプレッド、指数との連動乖離が積み重なることで、指数と正確に逆連動しないことがあります。
具体的な数値例:想定通りに動かないケース
たとえば、S&P500が1日で2%下がっても、その日の為替が1ドル=140円→143円に円安進行していると、逆チャレンジコースの評価損益は上がらない、またはむしろ下がることがあります。
また、短期的な価格変動に連動する設計のため、長期保有すると日々のリバランスによって複利損失が大きくなる傾向もあります。
短期投資と長期投資の向き・不向き
逆チャレンジコースのようなベア型投資信託は、一時的な相場急落に賭ける短期勝負型の商品であり、長期保有には向いていません。上昇相場で持ち続けると、ファンド価値はどんどん下落していきます。
そのため、タイミング投資やリスクヘッジを明確に意識して運用しない限り、初心者には扱いが難しい商品です。
注意すべきポイントと代替策
- ベア型は「下がること」より「どれだけ急に下がるか」が重要
- 為替影響を避けたいなら「為替ヘッジあり」タイプを検討
- 市場の先行きを予測できないときは、積立型インデックス投資などの方が安定性が高い
初心者が扱うにはリスクが高すぎるため、使う際はポートフォリオのごく一部に限定すべきです。
まとめ:ベア型ファンドは「魔法の逆張りツール」ではない
逆チャレンジコースの値動きに違和感を覚えたら、それは決してあなただけの感覚ではありません。為替・連動性の乖離・日々の変動率といった複数の要因が複雑に絡んでいます。
ベア型投資信託はタイミング投資やヘッジ用途としては使えますが、「長期保有で儲かる商品」ではないことを理解したうえで慎重に利用しましょう。

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