資産の一部を「金」に換えるという相談は、特に預貯金の利息が極めて低い環境では増えています。ご家族で500万円を5年以上保有する前提で「金地金(現物)」「金の積立」「金の投資信託(ファンド)」という3つの選択肢を比較・整理してみましょう。
金地金(現物購入)の特徴とメリット・デメリット
金地金とは、実際にインゴットやコインなどの形で「金そのもの」を購入し保有する方法です。
メリットとして、実物資産であるため「誰の債務でもない価値」「発行体リスクがない資産」といった安心感があります。([参照]金の現物投資の方法とは?メリット・デメリットを徹底解説)
一方デメリットも明確です。利子・配当が得られず、購入時・売却時の手数料や保管コスト、盗難・紛失リスクもあります。([参照]金の現物を保有すると、紛失や災害による紛失のリスクが発生します)
金の積立(純金積立・毎月購入)のメリット・デメリット
次に「毎月一定額を金に積立購入する」という手法です。5年以上という保有前提がある場合、価格変動のリスクを時間分散できるという点でメリットがあります。([参照]純金積立のメリット・デメリット|始める前に知っておきたい注意点)
しかし、積立となると手数料が発生するケースが多く、短期の利益を狙うには向きません。また、やはり利子・配当はなく、価格が下落した場合は評価損が出ます。例として「純金積立よりも現物所持の方が優しい」という意見もあります。([参照]なぜ、純金積立は“やめとけ!”といわれるのか?)
金の投資信託・金関連ファンドの特徴とメリット・デメリット
金投資信託とは、金そのものを買うのではなく、金価格に連動する運用商品に間接的に投資する方式です。少額からでも始められ、保管や盗難リスクを自己で負わないというメリットがあります。([参照]投資信託で金(ゴールド)投資するメリット・デメリットは …)
ただし、運用手数料・信託報酬がかかる点、また現物保有による安心感(手で触れる資産)がないという点がデメリットです。さらに、つみたてNISAなどの優遇制度が使えない場合が多いという注意もあります。([参照]金投資はおすすめしないといわれる理由・デメリット!向いてい …)
500万円・5年以上保有という条件での考え方
ご提示の予算「500万円」、保有期間「5年以上」という前提で考えると、以下のような整理ができます。
・金地金:まとまった額の現物保有が可能で、手数料・保管コストを払っても“実物資産”という安心感を求めるなら適している。
・積立:5年以上という期間では価格変動の影響を時間で分散できるため検討価値あり。ただし、月額購入といえど500万円を積み立てるには月額金額・期間を逆算する必要あり。
・金投資信託:少額分散や手間軽減を重視するならこちら。500万円という額を一括または数回に分けて投じる形も可能です。
さらに相続を見据えた観点では、現物の保有方法・保管場所・名義などを明確にしておくことが重要です。金地金を自宅に保管すると相続時の評価・分割が複雑になるケースもあります。
どれを選ぶ?目的・リスク・相続を踏まえた判断軸
選択の際には次のような軸を確認しましょう。
- 目的:貯金代替・インフレヘッジ・資産の分散など、何を重視するか?
- リスク許容度:価格が下がる可能性、流動性の低さ、手数料・保管コストをどう捉えるか?
- 相続・保管:現物なら保管場所・名義確認・分割方法、ファンドなら名義・運用報告の確認。
例えば、お父様とお母様・あなたという3人が将来相続することを見据えるなら、現物を複数設置した貸金庫利用・保管証明等を残すなど「分割する前提」で持つ形も検討できます。
まとめ
金投資という選択肢には、現物・積立・投資信託のそれぞれに長所と短所があります。500万円・5年以上保有という前提なら、実物での保有を中心に、必要に応じて積立やファンドを併用するポートフォリオも有効です。
最終的には「お父様の資産をどのように守り、どのように次世代へ引き継ぐか」という観点で、目的・時間軸・相続を踏まえて“どの形が安心か”を検討すると良いでしょう。必要であれば、ファイナンシャルプランナーや税理士にも相談をおすすめします。
こんにちは!利益の管理人です。このブログは投資する人を増やしたいという思いから開設し運営しています。株式投資をメインに分散投資をしています。


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