最近のニュースでは、アメリカの2年物国債利回りの上昇がたびたび話題になりますが、これがなぜ起こるのか、そして日本円との為替にどのような影響を与えるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、米2年債の利回りが上昇する背景と、その影響としての円安のメカニズムを、具体例を交えながら解説します。
米2年債利回りとは?
2年物国債とは、アメリカ政府が発行する「満期が2年」の短期債券です。利回りとは、この債券を保有することで得られる年間のリターン(利息)を示します。
たとえば、1年後に1,020ドルで償還される債券を1,000ドルで買えば、利回りは約2%になります。市場ではこの利回りが投資家の期待や経済指標を反映して常に変動しています。
なぜ2年債の金利が上がるのか?
主な理由は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策です。インフレが進んだ場合、FRBはそれを抑えるために政策金利を引き上げます。すると、短期金利に連動する2年債の利回りも上昇します。
たとえば、米国で消費者物価指数(CPI)が上昇したというニュースが出ると、「FRBが利上げを加速するかもしれない」と予想され、2年債利回りが上がるのです。これは「将来の金利の期待値」を表す動きとも言えます。
利回り上昇と円安のメカニズム
米国債の利回りが上昇すると、「米国で資産を持つ方が利回りが高く、得をする」と考えられ、世界中の投資家がドルを買いに走ります。するとドルが買われて円が売られ、ドル高・円安が進行します。
たとえば、2年債利回りが3%から4%に上昇すれば、円をドルに換えて米国債を買う動きが強まります。日本の金利が低いままであれば、より一層その傾向が強まります。
過去の事例から見る相関性
2022年から2023年にかけて、FRBが急激な利上げを行い、2年債利回りが5%近くまで上昇した際には、ドル円相場が150円に迫る水準まで円安が進行しました。
このように、短期金利の指標である2年債の動きは、為替相場にも大きなインパクトを与えるのです。
市場が注目する「将来の政策金利」
投資家は2年債を通して「FRBがこの先どう動くか」を予測します。したがって、雇用統計や物価指数、FRB関係者の発言は2年債の利回りにすぐに反映されます。
たとえば、「今後も利上げ継続が必要」というFRB高官の発言があると、即座に2年債の利回りが反応し、それがドル買いにつながる流れになります。
まとめ:短期金利の動向が為替を左右する
アメリカの2年物国債利回りの上昇は、FRBの利上げ姿勢や経済の過熱懸念を反映しており、それが世界の資金をドルに向かわせます。その結果として、円安が進行するという構造になっています。
今後も経済ニュースを見る際には、「2年債の利回り」と「ドル円の動き」をセットでチェックすることで、市場の変化に敏感に反応できるようになるでしょう。

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