三菱自動車は2025年4〜6月期において、純利益が前年同期の約294億円から7億3800万円と、前年比で約97.5%減と驚異的な落ち込みを記録しました。その要因として、米国の高率な自動車関税と為替変動が大きく影響しています。
決算結果の概要と背景
この四半期における純利益の激減は、まさに関税負担と円高の二重苦によるものです。営業利益も前年比マイナス84.1%となり、本業のもうけを示す数字が大きく押し下げられました。
副社長の松岡健太郎氏は、追加関税によるコスト負担は144億円規模にのぼると説明しています。
関税率25%から15%への引き下げ:明暗と課題
日米間の新たな交渉により、自動車関税率は当初の25%から15%へ引き下げられました。
松岡副社長は「当初懸念されていたよりも関税率が低く抑えられた」と前向きに受け止めつつ、「関税が事業に与える影響は多岐にわたり、一概に楽観視できる状況ではない」と慎重な姿勢を崩していません。
他アジア自動車メーカーと比較した影響
他の日本メーカーや韓国勢でも同様の影響が顕著で、中でもヒュンダイは純利益が22%減少し、600百万ドル超の関税負担を報告しています。
一方で、三菱やマツダ、スバルといった日本勢は、15%への引き下げ交渉の成果により、他国よりも比較的有利な立場にあります。
今後の見通し:依然として流動的な業績環境
15%への関税引き下げは確かに緩和材料ですが、市場の競争激化、為替の変動、インセンティブコストなど依然として課題は多く残ります。
松岡副社長は現時点で業績予想を据え置いており、不透明感は拭えていません。
具体的な実務上の示唆と戦略方向
価格転嫁による戦略的な販売調整が進み、6月には米国向け車両価格を約2.1%引き上げた事実も明らかです。
中期的には、現地生産やサプライチェーンの見直しを通じて関税リスク低減を図ることが必要とされています。
まとめ
三菱自動車の2025年4〜6月期決算は、純利益97.5%減という深刻な結果となりました。関税率の引き下げ交渉は一定の成果をもたらしたものの、企業側は依然として慎重な姿勢を維持しています。今後の業績回復には、価格戦略、コスト構造の見直し、グローバル生産体制の強化といった中長期的な対応が不可欠です。

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