インベスコ世界厳選株式・毎月分配型が敬遠される理由と賢い投資判断のヒント

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高い分配利回りで人気を集める投資信託「インベスコ世界厳選株式・毎月分配型」。一見すると安定的な普通分配が継続されており、魅力的に映ります。しかし、なぜか一部の投資家や専門家からは「おすすめしない」「避けるべき」とも言われるこの商品。その理由を、制度・実態・投資家心理の観点から紐解きます。

毎月分配型投信の基本と投資家が抱く誤解

毎月分配型ファンドは、保有するだけで定期的に分配金を受け取れるのが特徴です。一見すると「利回りが良い」「安定して儲かる」と錯覚されがちですが、分配金の中身に注意が必要です。

特に、「普通分配」と「特別分配」の違いが分かっていないと、実際には元本を取り崩しているだけなのに、利益を得ていると勘違いしてしまいます。

普通分配が続いている=安全とは限らない理由

確かにここ数年の成績では「インベスコ世界厳選株式」は普通分配を維持できているように見えますが、それは株式市場が好調だったタイミングが重なったことによる偶然の側面も否めません。

分配金が継続されていても、ファンドの基準価額が下がっていれば実質的な資産は減少している可能性があります。つまり、安定した分配金=安心とは限らないのです。

「タコ足分配」のリスクと基準価額の推移

運用成績が悪化したにもかかわらず分配金を維持しようとすると、「タコが自分の足を食べる」ように元本を取り崩して分配する「タコ足分配」が発生します。これは長期的な資産形成にとって極めて不利です。

たとえば、基準価額が2年で20%下落しているにもかかわらず、分配金だけを見て投資を継続していると、知らないうちに大きな損失を抱えてしまうことになります。

税制面でも損をしている可能性

特別分配金は非課税であるため一見得した気分になりますが、損益通算や損失繰越の対象とならないため、税金上のメリットは非常に限定的です。逆に普通分配金は課税対象となるため、分配金を得るたびに税金を払い続けていることになります。

その結果、ファンドの利益以上に税負担が重くなり、実質利回りが目減りすることも珍しくありません。

長期運用に向かない構造の落とし穴

毎月分配型ファンドは、高齢者や退職者など「定期収入が必要な層」には向いている面もありますが、資産を育てる「積立投資」「長期保有」には不向きです。

特に若い投資家や老後資金を貯めたい人にとっては、複利効果を享受できない点が大きなデメリットになります。

分配型を検討する際のチェックポイント

毎月分配型ファンドを検討する際には、次のような視点を持つことが重要です。

  • 分配金の内訳が「普通分配」か「特別分配」かを確認
  • 直近数年間の基準価額の推移をチェック
  • 税引後の実質利回りを計算
  • 分配金を受け取る必要が本当にあるのかを見直す

また、代替として「再投資型インデックスファンド」などの選択肢も視野に入れておくと良いでしょう。

まとめ:分配金の安心感に惑わされず、本質を見極める

インベスコ世界厳選株式・毎月分配型は一見魅力的に映りますが、その構造やリスクを理解しないまま投資を続けると、大きな損失を抱える可能性もあります。分配金の有無よりも、資産が着実に成長しているかどうかを冷静に見極め、投資判断を行うことが長期的な成功につながります。

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