株式取引で利益や損失が発生した場合、税務上の損益通算によって課税額を抑えることができる可能性があります。ただし、非上場株式と上場株式の損益通算には特有のルールがあるため、正しい理解が重要です。
損益通算の基本ルール
まず損益通算とは、同一の所得区分内で発生した損失と利益を相殺できる制度です。株式の売買益は「譲渡所得(株式等)」に該当します。
上場株式も非上場株式も、基本的には「譲渡所得等」として同一区分に含まれますが、課税方法や口座の区分によって通算の可否が変わる点に注意が必要です。
非上場株式の利益と上場株の損失は通算可能?
結論から言えば、非上場株式の譲渡益と、上場株式(一般口座)の譲渡損失は、確定申告を行うことで損益通算が可能です。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 両方とも申告分離課税を選択して確定申告する
- 年間取引報告書(上場株式)と譲渡契約書(非上場株式など)を添付
特定口座で「源泉徴収あり」の場合、自動で通算されるわけではないので、確定申告が前提です。
確定申告での記載方法と注意点
通算を行うには、確定申告書の「分離課税用の申告書(第三表)」を利用し、譲渡所得の計算明細書を添付する必要があります。
非上場株式については、売却の事実を証明する契約書、譲渡金額や取得費の根拠書類の添付も重要です。記載ミスや添付漏れがあると通算が認められないこともあるため、国税庁の指導に従って丁寧に書類を整えることが求められます。
損失の繰越控除も活用しよう
損益通算で相殺しきれない損失がある場合、翌年以降3年間は繰越控除として活用できます。これは、翌年以降の株式譲渡益と相殺できる制度です。
ただし、繰越控除を利用するためにも、毎年確定申告を行って継続的に申請する必要があります。
非上場株式の売却に関する課題
非上場株式は、取引の価格や取得費の根拠を明確にしにくいという課題があります。市場価格が存在しないため、売買金額の妥当性を示す資料を準備することが大切です。
親族間売買などの場合は、税務署から贈与と判断されるリスクもあるため、第三者評価や税理士の相談も検討しましょう。
まとめ:損益通算は可能だが正確な手続きが重要
非上場株式の利益と、上場株式(一般口座)の損失は損益通算が可能ですが、確定申告での適切な処理が不可欠です。記載漏れや証拠書類の不足があると認められない可能性もあります。
- 通算には申告分離課税を選択する
- 必要書類の添付を忘れずに
- 繰越控除の制度も活用可能
初めての申告や不明点がある場合は、国税庁の案内や税理士への相談を検討すると安心です。

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