トレードにおいて損失を出した後に、それを取り戻すために倍ロットでエントリーし、利益が出たらすぐに利確する──これは非常に多くのトレーダーが一度は経験する「あるある」な行動です。損失の痛みからくる心理的影響と、ロットを増やすことによるリスク増大は、トレードパフォーマンスに大きな影響を与えるため、冷静な分析が必要です。
倍ロットでのエントリーはリスクが2倍以上
一見、損失を早く取り戻すには倍ロットで勝てばいいと思えますが、リスクは単純な2倍以上になります。なぜなら、心理的なプレッシャーやビビリ利確が発生しやすくなるからです。
例えば、前回1ロットで-50pipsの損切りをして、次に2ロットで+25pipsで逃げ切ったとします。一見トントンですが、本来50pips伸ばせた可能性のある相場だったかもしれません。ロットを増やすことで、利益を大きくするどころか、逆に小さくしてしまうリスクすらあります。
「損失を埋めたい心理」がトレード判断を歪める
人間の心理として、「損をしたらすぐ取り戻したい」という感情が強く働きます。この心理は、ギャンブルや投資行動において「損失回避バイアス」と呼ばれます。
このバイアスに陥ると、冷静なチャート分析ではなく、「エントリーしてしまいたい」「勝てそうな気がする」といった主観的な判断が優先されがちです。
チキン利食いが生まれるメカニズム
倍ロットのプレッシャーにより、含み益が少しでも出ると「これ以上は耐えられない」と感じてすぐ利食いしてしまう、いわゆるチキン利食いが発生します。
特に直前に損切りしている場合、前回の損失を取り戻す「金額」が頭にあり、利益ではなく「損失を埋めること」に意識が偏ります。この状態では、利大損小のトレードは難しくなります。
逆行による倍損失のダメージが大きすぎる
損切り後に倍ロットで負けると、損失は雪だるま式に膨らみます。1ロットで-50pips → 2ロットで-50pipsになれば、トータルで-150pipsとなり、精神的にも再起不能になることも。
このようなサイクルを繰り返すと、最終的に資金が枯渇してしまいます。ロット数は過去の損益に左右されず、常に一定を維持するのがリスク管理の基本です。
プロトレーダーは「損失を埋めるトレード」をしない
勝っているトレーダーは、過去のトレード結果にとらわれず、1トレードごとにフラットな視点で分析と判断を行います。
損切りのあとにロットを増やすのではなく、まずは「負けた理由」を分析し、同じミスを繰り返さないよう次に活かします。たとえば、投資ルールの記録やメンタルノートを活用するのも有効です。
まとめ:負けを取り返すのではなく、正しいトレードを積み重ねる
倍ロットエントリーとチキン利食いは、損失を取り戻すことに執着した結果、トレード判断を曇らせてしまう典型的な例です。冷静な分析と一貫性のあるルールが、継続的な利益につながります。
損切りの直後こそ、感情に流されずに「トレードを一度休む」「ルール通りのロットに戻す」「エントリー根拠の精度を再確認する」などの対処を心がけましょう。挽回ではなく、正しいトレードの積み重ねが勝ちに繋がる道です。

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