株式投資に関するニュースやSNSで「今日は寄らなかった」「まだ寄っていない」などの表現を目にすることがありますが、これは株価の始値(最初の取引価格)に関する用語です。特にストップ高・ストップ安の場面などで使われることが多く、株式市場の動きや仕組みを理解するうえで重要なポイントになります。この記事では、株が『寄る』とはどういうことなのか、そして『寄らない』とはどんな状態かを初心者にもわかりやすく解説します。
株が『寄る』とは何を意味するのか?
株式市場では、取引開始直後(午前9時)に「始値」が決定されることで、売買が始まります。この始値がついて取引が成立することを「寄る」といいます。つまり、『株が寄った』とは、その銘柄が取引を開始した状態を指します。
具体的には、買い注文と売り注文の価格が合致し、最初の売買が成立することで株は「寄付き」となります。
『寄らない』とはどんな状態か?
逆に『寄らない』とは、始値が決まらず取引が開始できない状態のことです。これは主に買い注文と売り注文のバランスが極端に崩れているときに起こります。たとえば、買い注文が殺到しているのに売り注文がほとんど出ていない場合、価格が合わずに取引が成立しません。
このような状態はストップ高・ストップ安のときに多く見られます。板(注文状況)には大量の買いが並び、「気配値」だけが動いている状態が続き、実際の取引は行われません。
板寄せ方式と始値決定の仕組み
日本の株式市場では、取引開始時に「板寄せ方式」が使われます。これは、すべての注文を一度集計して、最も多くの注文が成立する価格で始値を決める方式です。
たとえば、以下のような注文が入っているとします:
買い注文 | 数量 | 売り注文 | 数量 |
---|---|---|---|
500円 | 10,000株 | 510円 | 1,000株 |
この場合、価格が折り合わず売買が成立せず、『寄らない』状態になります。
実例で見る『寄らない』銘柄の特徴
たとえば、新製品発表や好決算で注目を浴びた銘柄が、朝からストップ高気配になるケースがあります。買い注文が集中し、売る人が少ないため始値がつかず、午前中ずっと寄らないということもあります。
同様に、悪材料が出た銘柄では売り注文が殺到し、買い手がいない状態でストップ安気配となり、やはり寄らないことがあります。こうした場合は、終日値がつかない「終日寄らず」になることも珍しくありません。
寄らないと何が問題になるのか?
株が寄らない状態では、その銘柄の売買ができないため、保有者やデイトレーダーにとっては大きなリスクとなります。
- 売りたくても売れない
- 買いたくても買えない
- 含み損・含み益が確定できない
という問題が生じます。
特に信用取引をしている場合、寄らないことで強制決済(ロスカット)のタイミングがズレるなどのリスクもあります。
まとめ:『寄る』『寄らない』を理解して相場の読み方を深めよう
株が『寄る』『寄らない』という言葉は、単なる専門用語ではなく、市場の需給バランスや投資家心理を映す大切なサインです。特に始値がつかない「寄らない」状況は、相場の異常な加熱や急変を示すことが多いため、リスク管理においても重要な指標となります。
株式投資を始めたばかりの方も、こうした仕組みを理解することで、より的確な判断ができるようになります。毎朝の寄付き前の板情報に注目して、相場の空気を読み解く力を養っていきましょう。

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