新NISAでS&P500からFANG+へ乗り換えるのは得策か?判断ポイントと注意点を解説

資産運用、投資信託、NISA

新NISA制度の導入により、長期的な資産形成の選択肢が広がる中、人気のインデックス投資先であるS&P500から、FANG+と呼ばれるハイテクグロース株集中型の指数へと積立先を変更しようとする人も少なくありません。果たしてその判断は合理的なのでしょうか?本記事では、S&P500とFANG+の特徴の違いや、乗り換える際の注意点についてわかりやすく解説します。

S&P500とFANG+の基本的な違い

S&P500は、米国を代表する大型企業500社に分散投資するインデックスで、金融・ヘルスケア・生活必需品・ITなど多様なセクターに広がりがあります。リスクとリターンのバランスが取れた長期投資向きの指数です。

一方でFANG+は、Meta(旧Facebook)、Amazon、Netflix、Google(Alphabet)などグロース株8~10銘柄に集中投資する指数です。リターンは大きい一方で、株価変動(ボラティリティ)も激しく、下落時の損失リスクも高い点に注意が必要です。

短期の利益確定は戦略としてありか

元本190万円に対して20万円(約10.5%)の利益が出ている段階で全額を売却することは、利益確定という意味では理にかなった判断です。NISA口座では売却益に課税がされないため、利益を「非課税で」実現できます。

しかし、新NISAは年単位での非課税枠が固定されており、一度売却するとその分の枠は消滅してしまうため、再投資には別枠の活用が必要になることにも留意が必要です。

FANG+への集中投資のリスクを考える

FANG+は過去に目覚ましい成長を見せてきましたが、2022年のように金利上昇局面では大きな下落にも見舞われました。2024年以降もテック企業への規制強化やAI関連の過熱感など、下振れリスクは決して無視できません。

また、銘柄数が少ないため、個別企業の業績やニュースに指数全体が影響されやすく、想定外の急落が起こる可能性もあります。

分散投資を活かす判断も重要

すべてをFANG+に乗り換えるのではなく、一部だけをシフトさせる「併用投資」という選択も有効です。例えば半分を引き出してFANG+に、新たな積立分を引き続きS&P500にすることで、リスク分散と成長性の両方を取りに行くことができます。

このように、「集中と分散」のバランスを意識した資産設計は、長期的な資産形成においてリスクを抑える重要な視点となります。

市場環境や自分のリスク許容度を確認しよう

投資判断は「今の相場」だけでなく、自分自身のリスク許容度、投資期間、目的といった要素を総合的に見て行う必要があります。値動きが激しくてもそれを受け止められるならFANG+への乗り換えも選択肢ですし、安定志向ならS&P500継続が堅実です。

また、米国利下げ観測やIT業界の成長見通し、為替動向などマクロ経済環境にも目を向けておくと良いでしょう。

まとめ:投資先変更は目的と戦略次第

新NISAにおけるS&P500からFANG+への乗り換えは、投資戦略次第で「愚か」でも「賢明」でもありません。利益確定・リバランスの機会として捉えるならば理にかなっていますし、すべてをハイリスク商品に変更するのは慎重になるべきです。

投資はあくまで「自分の目的とリスク許容度に合っているか」がすべてです。ブームに乗るのではなく、長期的に納得のいくポートフォリオ設計を心がけましょう。

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