債券投資を始めたばかりの方にとって、「購入価格」と「受け取れる利息」の関係は混乱しやすいポイントです。特に額面よりも安く購入した場合、どの金額に対して利息が支払われるのか疑問に思う方は多いでしょう。この記事では、債券の表面利率と購入価格の関係を具体的な数字で解説し、利息計算の正しい理解をサポートします。
債券の利息は「額面」に基づいて支払われる
債券の利息は、購入価格ではなく「額面金額(額面100万円など)」に対して支払われます。たとえば、額面100万円・表面金利3%の債券であれば、毎年の利息は100万円×3%=3万円となります。
仮にこの債券を90万円で購入していたとしても、利息は100万円に対して計算されるため、利息収入として3万円を得ることができます。
購入価格との関係:利回りの考え方
90万円で購入し、毎年3万円の利息が得られる場合、利回り(単利ベース)は3万円÷90万円=約3.33%です。この利回りは「利息収入に対する実際の投資効率」を示します。
購入価格が低ければ低いほど、表面利率が同じでも実質的な利回りは高くなるため、債券投資において「どの価格で購入するか」は非常に重要です。
実例:表面金利3%の債券を@90円で購入した場合
以下は具体的なケースです。
条件 | 内容 |
---|---|
額面 | 100万円 |
表面金利 | 3% |
購入価格 | 90万円(@90円) |
年間利息 | 3万円 |
実質利回り | 3万円÷90万円=約3.33% |
このように、額面より安く購入すれば、利息収入の実質的な利回りが向上します。
償還差益も利益になる
債券は満期になれば「額面」で償還されるのが原則です。したがって、90万円で購入しても、満期時には100万円が返ってくる場合、10万円の差益(キャピタルゲイン)も得られます。
この差益も含めた総合利回りは「最終利回り(YTM)」と呼ばれ、債券投資を判断する重要な指標となります。
債券の税金と利息計算に注意
債券から得られる利息には20.315%の源泉徴収税がかかります。したがって、3万円の利息を受け取った場合、実際に手元に入る金額は約23,905円です(3万円×(1−0.20315))。
また、償還差益(キャピタルゲイン)は非課税となる公社債もありますが、商品や税制改正によって異なるため、購入前に確認しましょう。
まとめ:利息は額面に基づくが、利回りは購入価格との関係がカギ
債券の利息は額面金額に対して支払われ、購入価格とは無関係です。しかし、実際の投資効率を見るには利回りの視点が欠かせません。特に額面より安く買える割引債は、利息と償還差益の両方で利益が見込める魅力的な投資対象です。
投資判断をする際は、表面利率だけでなく、「利回り」「税引き後の収益」「償還時の差益」など、複合的に見て計算することが大切です。

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