インフレ対策に金(ゴールド)を保有するメリットと注意点|資産配分の考え方も解説

資産運用、投資信託、NISA

インフレが続く局面では「お金の価値が目減りする」と感じやすくなり、資産の保全手段として「金(ゴールド)」への注目が高まります。本記事では、金の現物保有がインフレ対策になる理由、資産配分の適切な考え方、そして注意点についてわかりやすく解説します。

なぜ金がインフレに強いと言われるのか?

金は通貨のように発行主体がなく、その価値は世界的に普遍とされています。紙幣が発行過多になることで通貨の価値が下落したとしても、金は相対的に価値が維持されやすい「実物資産」として評価されます。

実際、世界的な金融不安やインフレ局面では、金の価格が上昇する傾向があります。たとえば、2020年のコロナショックや2022年のインフレ加速時期には、金価格が史上最高値近くまで高騰しました。

金の現物保有とETFの違いとは?

金を保有するには、大きく分けて「現物(金地金やコイン)」と「金融商品(ETFや投資信託)」の2つの手段があります。現物は実際に金を手元に置くため、心理的な安心感がありますが、保管や盗難リスク、売買の流動性に課題があります。

一方、ETFは証券口座で手軽に取引でき、保管の手間が不要ですが、実際の「現物」を持っているわけではないため、非常時に引き出せる保証はありません。

資産の20%を金にするのは適切か?

一般的に、資産配分(アセットアロケーション)の観点からは、金の保有比率は5〜15%程度が推奨されるケースが多いです。理由は、金は利息や配当を生まないため、過剰に保有すると資産全体の成長性が下がる可能性があるからです。

ただし、経済情勢や自分のリスク許容度によっては20%を超える配分も一つの選択肢です。たとえば退職後の資産保全を重視する方や、政治リスクを懸念する層では、現物資産として金を厚めに持つケースもあります。

金投資のリスクと注意点

金はインフレに強い一方で、価格変動が激しい商品でもあります。とくに短期的なトレード目的では、大きな含み損が出る可能性もあるため注意が必要です。

また、現物を保有する場合、保管場所(貸金庫や家庭用金庫)や盗難対策、信頼できる販売業者の選定も大切です。業者選びでは「純度の明記」「買戻し制度の有無」などの確認を怠らないようにしましょう。

具体的な購入方法と選び方

現物の金は、主に「地金商」や「金専門店」「一部の銀行窓口」などで購入できます。有名な業者には「田中貴金属」「徳力本店」「三菱マテリアル」などがあります。

購入時には「1gあたりの価格(当日相場)」「手数料(スプレッド)」「最低購入単位」「配送や保管サービスの有無」などを比較し、自分にとって最適な方法を選びましょう。

まとめ:金は分散投資の一部として戦略的に組み込む

金はインフレや経済不安に強い資産ですが、万能ではありません。資産の成長性を考えれば、株式や債券、現金などとバランスよく組み合わせることが重要です。

資産全体の中で5〜20%を目安に、自分の目的に応じた配分を考えることで、金の価値を最大限に活かすことができます。投資に不安がある方は、まずは少額からスタートするのもおすすめです。

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