株式の信用取引では、短期的な損益変動が発生するのは決して珍しいことではありません。3ヶ月で+30%の実現利益がある一方で、直近1ヶ月では-10%となるようなケースもあります。このような数値のズレは、果たしてその手法が有効なのか、あるいはリスク管理に問題があるのかを判断する重要なヒントになります。
短期と中期の損益はなぜズレるのか?
信用取引ではレバレッジを効かせているため、小さな相場の変動でも損益は大きく動きます。3ヶ月間のトータルで見ればプラスでも、直近の1ヶ月がマイナスというのは、ごく自然な現象です。
たとえば、4月から6月までの3ヶ月で利益を上げていても、6月だけ大きな下げ相場に巻き込まれた場合、6月単月での損益は赤字となります。このときに重要なのは、月単位の損益よりもリスクのコントロールが適切かを評価する視点です。
実例:3ヶ月+30%、直近1ヶ月-10%の損益の捉え方
仮に初期資金が100万円だとすると、3ヶ月で130万円になった後、直近1ヶ月で117万円に落ち込んだということになります。このケースでは依然として利益は残っており、収益率は+17%です。
このような動きが一時的な調整であれば問題ありませんが、過去のパフォーマンスに安心してポジションサイズを拡大していた場合、損失が膨らむリスクは高まります。
手法の有効性を評価する3つの視点
- 1. シャープレシオや最大ドローダウンをチェックする:トレード成績の「安定性」を測る指標を確認することが大切です。
- 2. 勝率とリスクリワードのバランス:勝率が低くても、損小利大なら手法としては成立します。
- 3. 一貫性のあるルール運用:感情的な売買ではなく、事前に決めたルールに基づいたエントリー・エグジットを行っているかどうか。
上記の観点で手法を振り返ることで、「今月だけ悪かったのか」「手法が崩れているのか」の判断が可能になります。
注意すべきは「心理とレバレッジ」
信用取引では損失時の心理的ダメージが大きくなりやすいため、冷静な損切り判断が難しくなる傾向があります。とくに短期での下落を取り戻そうと、ポジションを膨らませてしまうと、リスクは指数関数的に増大します。
また、下落トレンドで無理に逆張りを仕掛けると、含み損が長引き、資金効率が悪化することもあります。損失時の対処方針が明確にあるかどうかが、手法の質を左右する要素です。
まとめ:損益のブレではなく、手法の再現性を見よ
信用取引における短期的な損益のブレは、必ずしも手法の失敗を意味しません。重要なのは、その手法が中長期的に一貫して利益を生み出す構造になっているかどうかを見極めることです。
月ごとのマイナスはあって当然。そのときに焦ってルールを変えたり、感情的なトレードに走ったりするのではなく、冷静にデータを振り返り、再現性を確認することが、継続的な利益のカギとなります。

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